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何にコストと力を注ぐべきか

例年通り、昨年末にも岐阜県飛騨高山市に行ってきたのですが(「こんな気象は初めて」参照)、毎年行っていながら今更のように気付いたことがあります。
やはりあの辺、今や斜陽産業とは言え、林業地域なのですね。

町中(と言っても、田や林の目立つ中にぽつぽつと民家があるだけで、商店はほとんど見当たらないような町ですが)に製材所がありますし、軒下に薪を積んでいる家が結構見られます。
まあ、建物自体は時とともにかなり建て替えられているはずで、薪を使う窯(?)が生きているところがそんなにあるのか、と思いますが、実際に薪を積んでいるということは、あるのでしょう。
製材所が隣にあれば、廃材はかなり安く手に入りそうな気がしますし、そういう活用ができていれば素晴らしいんですが、どうなんでしょうか。

ああいう場所に実際に住むとなると問題は、買い出しに車が必要なことですが……

森林面積の減少やら何やらが問題になっている中、日本の森は高い再生能力を持っていることで有名です。
それを活かし、資源を守り育てて行くことは大切ですが、そのために専門家が知見を動員し、行政が経費を費やすという形になっているとは思われず、林業者の高齢化が問題になっています。

伊勢神宮は20年に一度遷宮を行い、100年後の遷宮に備えて建材を準備するべく木を植えています。それが優れた「伝統」です。
「日本の伝統」を掲げる人で植林と緑化を主張する人をあまり聞かないのは不思議なことです。

 ~~~

気が付けば、小保方晴子氏によるSTAP細胞についての論文が『ネイチャー』に掲載されてからほぼ2年が経とうとしています。
その間に、この論文の捏造問題は、当該論文の撤回に留まらず、上司の笹井芳樹氏の自殺、そして小保方氏の博士号取り消しにまでどんどん話が波及していきました。

この件について今更多くを語りたいとは思いません。
ただ、こんな論文を載せてしまった『ネイチャー』のいい加減さを責めたいかと言うと、必ずしもそうは思いません。
「杜撰でない」査読を通った、「問題のない」「きちんとした」論文であろうと、ほとんど読まれずに埋もれていく学術論文が世に溢れているのです。それらの論文はたとえ内容に間違いや嘘はなかろうと、価値も乏しいものです。
逆に冗談が真面目な議論に発展することもあります。
たまには胡散臭いものが載ったって、いいじゃないですか。

別に私は、学問とは元来当てにならないものだとか、だから私の論文の査読も甘くしろとか言いたいわけではありません。
ただ、「編集者と査読者がきちんとしていれば捏造や盗用は見破って当然」というのはおそらく求めすぎでしょうし、「学会誌に載った」こと自体の意味は限られていると言っているだけです。

――とは言うものの、ここにある種の「商売の問題」が感じられるという問題はあります。
『ネイチャー』というのは商業誌で、とにかく購読料が高いのです。私も興味を持った記事を調べてみたことがありますが(電子版は記事ごとに分割購読できます)、十数ページの記事で1本で3000円以上します。まして雑誌丸ごと定期購読したら、いくらかかるのでしょう。
多くの人は大学の経費による購入に頼っていますが、高すぎて購読を取りやめる大学も増えているとか。
論文のオープンアクセス化も増えている当今、今はまだ権威を持っている『ネイチャー』ですが、今後はどうなるか分かりません。

そして、『ネイチャー』編集者の思惑を究極的には知る由もありませんが、「流行りのテーマを載せれば売れるから」という考えがなかったのかどうか、ということです。
万能細胞というのは、それが本物ならば非常に役に立つことが具体的に分かっているので(再生医療)、人気はあり注目度も高い分野です。
でも、だから……という商売っ気が研究の思惑に入ってくるのは、単にいい加減なのとは別の問題を含みます。
もちろん、これは小保方サイドについても指摘できます。

つまるところ、流行りの分野で成果を上げれば儲かる……ということばら、成果の一つも捏造したくなるのは、ありそうなことではありますまいか。

大学の文系学部の縮小・廃止という話題に関しても、当の文系分野の関係者が反対しても、「自分の利権を守るためだろう」と思われがちです。
私自身、「文系の学問はこんなに役に立つ」などと声高に言いたくはありません。
しかし、これだけは言っておきたい――特定分野への「重点化」というのはつまり、すぐに役に立つことが分かっている分野、流行りの分野に金を出すということであって、それは結局、第二第三の小保方を生むべく経費を注ぐことなのだが、それでいいのか、と。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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