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2016年1月の読書メーター

市長選の候補者に「京都を日本の首都に」と言っている候補者がいて、そういう看板を掲げた街宣車も見ました。
しかし「首都に」するとは、どうすることなのでしょうか。
「東京と同じようにする」ことであれば、お断りです。
あんな、中で潰れて死んでいないかと思うようなペースで満員電車に人を詰め込むような都市は。

しかし広報でもう少し詳しく見ると、そういうことではなく、「天皇陛下に京都にお戻りいただこう」「ニューヨークに対するワシントンのように」首都に、という話でした。
しかし少なくとも、ワシントンDCにはアメリカの連邦政府があります。ですから、そのままワシントンに喩えるならば首都機能移転ということになりますが、この候補者が言っているのはそうではなく、あくまで「象徴」としての天皇陛下のみに言及しています(行政府の長である大統領=国の元首〔=象徴〕であるアメリカにおいては、この類比となるものはあり得ません)。
しかし、政府機関が東京にあり続けるならば、結局天皇陛下の公務(国事行為)は、東京で行われるものが多いでしょう。だったら実質上でそんなに変わらないのでは……という気もします。

いっそ「ハーグに対するアムステルダムのように」と言えば良かったのに、と思います(オランダの政府機関所在地はハーグ、憲法で定められた「首都」がアムステルダムです)。
そして、日本においては平安京への遷都以降、新たな「遷都令」は出ていません。つまり、法令による首都は京都だという理屈も通るわけであって、何も変えなくていいわけです(東京の皇居は、形式的には別荘のようなものです)。

首尾一貫しようと思うならば、「オランダの首都はアムステルダム、日本の首都は東京」と言うのは筋が通りません。
ただ、首尾一貫していなければならないというのも一つの価値観でしかありません。どうしたいかは、生き方の選択の問題です。

 ~~~

先月の読書メーターまとめです。
23冊4697ページでした。

読書メーター2016年1月

しかも大多数が漫画、さらに再読を含んでおり、ペースは上がりません。
洋書を3冊含みますが、数十ページしかないものもありますし。
インターネット上で論文を入手して読むことが増えたのも多少は関係しているのかも知れません。バラで読んだ論文はいちいち登録していませんし。

以下は抜粋。と言っても、いずれ別に記事を書くつもりで抜粋もしないまま、放置していたということも最近は多いのですが……。


【漫画】


河田さんと悪くない感じになるものの、20年来の恋は断ち切れず、進展しきれないまめ。他方で優は聡太とゆめ(まめの姉でかつて聡太が好きだった人)がキスしていたと訴え…聡太とゆめの関係について知りたいけど知るのが怖い、そこでよくできた子供と子供の頃から想いを引きずり続ける三十路の悩みは呼応する。変化はあれど成長せず進展しない堂々巡り、この描き方は作者一流の感性。そんな中で駿の新婚生活と嫁との出会いが描かれ、子供っぽい彼女と淡々として変わらない彼の、平和で甘い様子が何とも好対照。皆本質はそんなに変わらない。



【学術書(哲学)】


レヴィナス『われわれのあいだで』。『全体性と無限』より前の'50年代から晩年の'80年代までの論文・インタビューを収録、著者の思考を辿り主著を読む手がかりとするにちょうどいい一冊(繰り返しも多いし、似ていて微妙に異なる議論に注意しないと混乱を招く恐れもあるが…)。フッサールとハイデガーを筆頭にベルクソン、レヴィ=ブリュール、マルセルといった思想家、それに聖書やタルムードへの言及も多く、影響源を知る上でも大きい。内容的には全体を通して、愛の二者関係と第三者の登場する正義という緊張関係への言及が目立つ。


邦訳は下記↓





著者自身から紹介された一冊。相対性理論が示す同時性のズレや時間の遅れは果たして「実在的」な現象で「存在論的ステイタス」を持つのか、この理論の帰結として時間の流れを否定した宇宙像を導くのは正当か、相対論の射程は意識の領域に及ぶのか――相対性理論の物理理論としての有効性を軽視している節はやや気になるものの、現代物理学と知覚理論の成果を踏まえた上で(個々の議論には間違いも多い)ベルクソン『持続と同時性』の「実在的時間」と「虚構の時間」の区別という論を現代に活かす優れた一冊。


著者のロビンス氏とは12月のベルクソンシンポジウムでお会いしました。
アメリカで農夫をしながらギブソンの知覚論などの研究をやっているという独自の肩書きを持つ方で、癖の強さはあります(著書にも)。
この著作での扱われているベルクソンの『持続と同時性』については「珍しく研究の話」の記事にて。

ちなみにこの本、よく見ると版元がAmazon.uk、つまり自己出版のようです。


読んだ本の詳細は追記にて。



2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:4697ページ
ナイス数:651ナイス

ジバクくん (1) (ブロスコミックス)ジバクくん (1) (ブロスコミックス)感想
ふとした拍子に再読。12の世界「ツェルブワールド」、そこでは各世界に一人の選ばれた子供達「GC」が人々を守っている。ピンクの丸い精霊をパートナーに。1の世界・ファスタのGC・爆は「世界制覇」を夢とする少年。やはり柴田亜美作品中でも屈指の面白さ。爆は尊大な態度で無茶な言ってるようでいて責任感と熱さがあり、実は頭も使えていい主人公をしている。何より可愛げのない精霊・ジバクくん達の動きと人物の掛け合いで笑いにも事欠かず、ギャグとシリアスがいい塩梅。今巻では他のGCが二人登場、最後で旅を始めるところまで。
読了日:1月3日 著者:柴田亜美
ジバクくん (2) (ブロスコミックス)ジバクくん (2) (ブロスコミックス)感想
引き続き再読。爆の憧れであり最強のGC・炎の再登場という熱い展開から始まって、爆が修行で技を会得、そして4の世界フォスと5の世界ゴイまでクリアしたところで、ピンクが祖母シルバにより連れ戻される。優しく気弱だったフォスの見習いGCダルタニアンのエピソードが印象深かった反面、ゴイのアリババの話はほぼ忘れてた…。フネンの仙人とか新手の謎生物の登場で相変わらず笑わせてくれる一方で盛り上がりも中々。皆「才能」を強調しないけど、爆の圧倒的な技習得能力が特別なのは明らかなのが味噌。まあ設定回収は追って。
読了日:1月3日 著者:柴田亜美
ジバクくん (3) (ブロスコミックス)ジバクくん (3) (ブロスコミックス)感想
引き続き再読。孫娘ピンクをGCとして認めず、試練を出すシルバ。だが話は試練編からシルバの過去編に突入、それが今巻の大半を占める…かなり忘れてたが。本作は作者にしては女性キャラ比率が高く、しかも名キャラが多いが、シルバはその筆頭の一人。永遠の命と秤にかけて何のために生きるのかに答えた彼女の過去編は感動的。同時にGCの中から選ばれる「GS」や針の塔の真相等、重要な設定も続々。他方で敵幹部的に登場した雹が変態キャラに転じたりと笑い所も忘れないバランス。最後は爆達がお尋ね者になり…6と9の世界のネタも割と好き。
読了日:1月3日 著者:柴田亜美
ジバクくん (4) (ブロスコミックス)ジバクくん (4) (ブロスコミックス)感想
引き続き再読。7の世界セーブン(忍者の国)で爆達は謎の青年・激に助けられ、そして爆は新たな試練を受ける。GSの真相…前巻に引き続き、GC制度を作り管理している「針の塔」の暗部が徐々に見えてくる巻。激の正体も伏線はちゃんと張ってあったり(島の名前とかで)と、話がコンパクトに纏まって伏線も活きているのがいいところ。最後、8の世界エイトンではカードゲーム対決。この辺から少し連載でも読んでた覚えがある。クラーケンに海の男で挑む流れはアクションより面白かったかも知れん。モブに他作品キャラの顔を見るのも楽しい。
読了日:1月3日 著者:柴田亜美
ジバクくん (5) (ブロスコミックス)ジバクくん (5) (ブロスコミックス)感想
引き続き再読。10の世界までやって来た爆達。「0の樹」の悪素が生み出す変異種―明かされるトラブルモンスター発生の真相。その頃、針の塔ではついに「眠り姫」が目覚め、世界全土に異変が。11の世界で前巻に登場したGCジャンヌとの再戦を経て、12の世界でGS・現郎と邂逅。次第に真相解明と結末に近付く巻だが、何と言っても見所は激の過去編。テーマは何のために生きて何を遺せるのかという。バトルに関してはこの辺から力で決着着かないことの方が多い。「殴り飛ばして地面に叩き付ければ勝ちだなんて思わん」の一言が全て。
読了日:1月3日 著者:柴田亜美
ジバクくん (6) (ブロスコミックス)ジバクくん (6) (ブロスコミックス)感想
再読。雹、チャラとの対決、そしてついに明かされる針の塔と炎の正体、炎との対決。怒濤の勢いで感動の最終回。多くのキャラが再登場で出番があって、設定もきちんと説明され、皆綺麗に収まるところに収まって満足な締め。名女性キャラの多い本作だが、その締めは天姫。少年達が夢を追い、時にそれで迷い夢破れることもある中で、彼女は何のために自らの命を使うのか、最初から確固としていた―愛する男の男の愛した世界とその忘れ形見のために。だから「人柱」たることにも迷わない。少年漫画の熱さはそんな「母」に支えられていた。良かった。
読了日:1月3日 著者:柴田亜美
だがしかし もうひとつの夏休み (ガガガ文庫)だがしかし もうひとつの夏休み (ガガガ文庫)感想
『だがしかし』ノベライズ。大きな動きはなくいつも通りの掛け合いによる短編12編だが、原作が元々そういうショートギャグだしキャラ的にも忠実、また原作エピソードへの言及もあって違和感なく読める。基本はココノツの一人称だがサヤ師視点も2話あり、その内1回は原作エピソードの裏舞台というのもサービスが効いていて良いところ。逢空万太の色は控え目だがたまのパロディネタや原作設定へのメタ的ツッコミにらしさが現れる。惜しむらくは権利の関係か原作に登場しない駄菓子の登場は少なく、駄菓子蘊蓄の要素は弱いことか。
読了日:1月4日 著者:逢空万太
魔法少女育成計画 circle of life魔法少女育成計画 circle of life感想
魔法少女育成計画スクールカレンダー2016の付録小説ということで四季を主題にした4編。冬は相変わらず独特のペースのテプセケメイが楽しく、彼女達は生存者ということもあって温かく和む。春は無印の皆が魔法少女になる前の話、文章に重ねたシルエットで登場キャラを示す気遣いが巧み。夏はピュアエレメンツの水着回、メンバー相互のズレが絶妙なこと。彼女達が対戦したのは未登場の魔王塾生か…。秋はrestart途中のペチカパーティーを描く。おにぎりにはこんな背景が…智樹の真の災難はこの後というのが辛い。
読了日:1月6日 著者:遠藤浅蜊
The Mists of Special Relativity: Time, Consciousness and a Deep Illusion in PhysicsThe Mists of Special Relativity: Time, Consciousness and a Deep Illusion in Physics感想
著者自身から紹介された一冊。相対性理論が示す同時性のズレや時間の遅れは果たして「実在的」な現象で「存在論的ステイタス」を持つのか、この理論の帰結として時間の流れを否定した宇宙像を導くのは正当か、相対論の射程は意識の領域に及ぶのか――相対性理論の物理理論としての有効性を軽視している節はやや気になるものの、現代物理学と知覚理論の成果を踏まえた上で(個々の議論には間違いも多い)ベルクソン『持続と同時性』の「実在的時間」と「虚構の時間」の区別という論を現代に活かす優れた一冊。
読了日:1月8日 著者:StephenEarleRobbins
クロクロクロック 結 (電撃文庫)クロクロクロック 結 (電撃文庫)感想
カナは誘拐され、美鈴は木曽川に同行し、首藤は拳銃の売人に連れられ、黒田は首藤を狙い……一同が集い収束する完結編。予定半ばでの畳みであることが分かるだけに遺憾さがあるが、一通りの伏線も回収。もうちょっとスーパー犯人大戦としての殺し合いを期待した面もあったが、黒田や木曽川のキャラからしてこうなって不思議はなかった気も。回顧的だが、最後こうなるのなら、首藤の転落劇にもっと絞っても良かったのかも知れない。ともあれ、オールスターとしてはなかなか楽しかった。後は二条オワリと湯女のコンビ結成が描かれていればなあ。
読了日:1月11日 著者:入間人間
修羅の刻(16) (講談社コミックス月刊マガジン)修羅の刻(16) (講談社コミックス月刊マガジン)感想
昭和の頃、不破一族の現は、陸奥超えを目指す武術家ケンシン・マエダと出会い、彼を陸奥の里へと案内し、そこで陸奥の娘・静流と出会う……というわけで『刻』としては初めて歴史上の人物が登場しない、九十九出生の背景を描く親世代編。これまでと違い、戦いでカタルシスとは行かなさそうな話だが、明るくパワフルな静流がいい味を出してる。飄然としつつも闘志を秘めた陸奥達と違い、戦う気のない現も物語にいつもと違う味を与えるが、助けに入る時の動きなどはさり気なく流石。しかし想像以上に昔の雰囲気のような。地域の問題もあるだろうけど。
読了日:1月15日 著者:川原正敏
ハクメイとミコチ 4巻 (ビームコミックス)ハクメイとミコチ 4巻 (ビームコミックス)感想
セン作のフグの骨による潜水艇・サイモンで湖に潜水、祭に出店、馴染みの喫茶店の珈琲ミル修理、竹で露天風呂作成、ミコチの姉アユネが大根を持って登場、夜汽車…と相変わらず食を中心に温かい生活感と人情を感じさせる話が続くが、目立ったのは主人公コンビ不在で、美容師ジャダの家が倒れたところにイワシが出会う話。二人ともいいキャラしてて、こんなところにも繋がりが生じる楽しさ。温泉はいずれ再チャレンジで今度こそ入れる話が見たいところ。あまりスケールは感じないことが多いが、珈琲豆の砕き方に久々に彼女達の小ささを見た。
読了日:1月16日 著者:樫木祐人
のんのんびより 1 (MFコミックス アライブシリーズ)のんのんびより 1 (MFコミックス アライブシリーズ)感想
学校は小学1年生から中学3年生まで5人で合同1クラス、牛も狸もいて田植えがある田舎の日々。意外と東京から来た蛍の視点から田舎を描く面は少なく、彼女と他キャラにギャップを感じない。背景は描き込まれているが田舎の生活感も控え目、キャラの絡みによる緩いコメディが軸かね。ただ随所にセンスは感じる。キャラは小1とは思えない聡明さにシュールなセンスを併せ持つれんげの印象が断然強い。「~のん」語尾と「にゃんぱす」も主に彼女だし。後は影が薄くたまに画面の隅々に登場する唯一の男キャラの卓。蛍は発育良くて小学生には見えない。
読了日:1月16日 著者:あっと
のんのんびより 2 (MFコミックス アライブシリーズ)のんのんびより 2 (MFコミックス アライブシリーズ)感想
夏休み入り~半ばまで。夏海が成績で母に叱られ、皆で海水浴場(ここだけは人が多い)に遊びに行って終電で帰ったり、セミ(幼虫)を取ったり、皆が蛍の家に遊びに来たり、肝試しをしたり…今回も独特のセンスを持つれんげの存在感が際立つ。聡明な彼女だが、知らないことに対する反応や、新たな友達ほたるとの出会いと別れでは相応の子供らしさを見せ、何ともじんわり来るいい話に。次いで蛍・小鞠の年齢と体格ギャップか。絵的には背景の雰囲気、それと撥ねた髪を立体的に描いてるのが印象強い。巻末は別作品の外伝か。クロスオーバーがあるのね。
読了日:1月18日 著者:あっと
尊敬されない教師 (ベスト新書)尊敬されない教師 (ベスト新書)感想
基本は著者のいつも通りの議論。学校教育とは近代的市民を作るためのものであり、まず学ぶ主体を作る強制的なものであるが、そこにおいて教師の力が及ぶ範囲は限られている。しかし日本が「消費社会」化して、学校にも「等価交換」の論理が入ってくるようになった…表題に関して言えば、教師は人間的に優れているからではなく、役割上敬意を払われる必要があるが、社会の変化によりそれが通用しなくなってきたとのこと。今回の特徴は著者の経歴の話が多いことか。概ねは同意するが、理論面では主体を作るという逆説をもっと追究したくなるが…。
読了日:1月21日 著者:諏訪哲二
MONUMENT あるいは自分自身の怪物 (ダッシュエックス文庫)MONUMENT あるいは自分自身の怪物 (ダッシュエックス文庫)感想
魔法の存在する世界、旧ソ連の工作員で、現在はフリーで裏仕事を請け負っているボリスは、ピラミス魔法学院に入り千種トウコという少女を護衛する任務を受ける。だがこの話には彼自身を狙った裏があり…実は壮大なSF。主要人物の魔法がかなり高性能なこともあって戦闘で盛り上げる展開は少なめ、物語の大仕掛けも中盤まで来れば真相はある程度読める。しかしスパイ活劇らしい立ち回りを見せる主人公を初めとした人物達、古典の引用に満ちた文章、壮大な設定と伏線の回収はいずれも中々魅せるものだった。設定を気にし出せば色々あるが高評価。
読了日:1月23日 著者:滝川廉治
英雄都市のバカども (2) ~女神と漢たちの祭り~ (ファンタジア文庫)英雄都市のバカども (2) ~女神と漢たちの祭り~ (ファンタジア文庫)感想
WEB版第1話が消えた…WEB・雑誌掲載分を集めたリキュールの街の日常編。貧乏な何でも屋モルトは酒と女のため様々な仕事に奔走するが、得るものは少ない日々。そんな中、男達が褌一丁でダンジョン攻略に挑む「漢祭り」が開催され、モルトも参加するが…。冒頭から数十年後オチとか凄い飛ばし方。派手なバカ騒ぎの連続にたっぷり笑い、それでいて人情が温かい。設定上ファンタジーである意義はかなり弱いが、こういう任侠道めいた世界は非現実が舞台だからこそ説得力を持つのかも知れない。エロい目に逢ってばかりのリッツが不憫で可愛い。
読了日:1月23日 著者:アサウラ
こいいじ(3) (KC KISS)こいいじ(3) (KC KISS)感想
河田さんと悪くない感じになるものの、20年来の恋は断ち切れず、進展しきれないまめ。他方で優は聡太とゆめ(まめの姉でかつて聡太が好きだった人)がキスしていたと訴え…聡太とゆめの関係について知りたいけど知るのが怖い、そこでよくできた子供と子供の頃から想いを引きずり続ける三十路の悩みは呼応する。変化はあれど成長せず進展しない堂々巡り、この描き方は作者一流の感性。そんな中で駿の新婚生活と嫁との出会いが描かれ、子供っぽい彼女と淡々として変わらない彼の、平和で甘い様子が何とも好対照。皆本質はそんなに変わらない。
読了日:1月24日 著者:志村貴子
Entre Nous Essais Sur Le Penser-A-L Autre (Ldp Bib.Essais)Entre Nous Essais Sur Le Penser-A-L Autre (Ldp Bib.Essais)感想
レヴィナス『われわれのあいだで』。『全体性と無限』より前の'50年代から晩年の'80年代までの論文・インタビューを収録、著者の思考を辿り主著を読む手がかりとするにちょうどいい一冊(繰り返しも多いし、似ていて微妙に異なる議論に注意しないと混乱を招く恐れもあるが…)。フッサールとハイデガーを筆頭にベルクソン、レヴィ=ブリュール、マルセルといった思想家、それに聖書やタルムードへの言及も多く、影響源を知る上でも大きい。内容的には全体を通して、愛の二者関係と第三者の登場する正義という緊張関係への言及が目立つ。
読了日:1月25日 著者:EmmanuelLevinas
白暮のクロニクル 7 (ビッグコミックス)白暮のクロニクル 7 (ビッグコミックス)感想
「羊殺し」を題材にした映画の公開が決定。オキナガの悪評に繋がることを懸念して調査に赴く雪村達だが、脅迫状が届いたのに続いて殺人事件が起こり、雪村が容疑者に…。今回も事件そのものは綺麗に1巻で切りを付けつつ、ついに「羊殺し」に直接通じる人物が登場。記憶は戻らないものの章太も目覚め、他にも「羊殺し」に関わったという証人も登場して、少しずつだが相手に近付きつつある模様。他にも竹之内参事の怪しい動きとか布石は盛り沢山で、あかりが独力で真相に辿り着くという助手の成長を見せる回でもあり、見応え十分だった。
読了日:1月26日 著者:ゆうきまさみ
のんのんびより 3 (MFコミックス アライブシリーズ)のんのんびより 3 (MFコミックス アライブシリーズ)感想
夏休み明けのテストから冬の始まりまで。意外と季節の経過が早いな…。イベントとしては飯盒炊爨に(夏海主催の)文化祭。他には芸術の秋とか犬の散歩とか越谷姉妹の家出など。ぶっきらぼうだけどいい姉貴分な駄菓子屋とれんげの関係が良い感じ。れんげは今回も絵の上手さでハイスペックを見せるが(鉛筆で尺を取るなんてどこで覚えたのやら)、センスのシュールさがそこに満足しない。巻末の4コマでも独特の発想と遊びを披露、と同時に犬笛とは凄いな。
読了日:1月26日 著者:あっと
Anatomie et biologie des Rhinogrades - Un nouvel ordre de Mammifères : les dernières découvertes !: Un nouvel ordre de Mammifères : les dernières découvertes!Anatomie et biologie des Rhinogrades - Un nouvel ordre de Mammifères : les dernières découvertes !: Un nouvel ordre de Mammifères : les dernières découvertes!感想
『鼻行類』仏訳。本編の内容は知っているので軽く訳語を見るだけで、目当ては新版の序文とLecointreによる巻末の「今日の鼻行類」。フランス語名はラテン語に基づいたものが多くてドイツ語名や和名とは雰囲気が違う。「今日の鼻行類」はいかにも学術書の新版らしく、原書出版後の研究史、そして鼻がドリルになった新種の発見等、さらに話を上乗せしている。動物学のあり方の問題、とりわけ分子生物学という、今日なら当然の観点をきっちり取り込んでおり、笑えるホラ話も山盛りで非常に良かった。
読了日:1月29日 著者:HaraldStumpke
天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム (新潮文庫nex)感想
いつも通りの短編集に戻って、死んだ恋人の呪い? で原因不明の痛みを訴える女性、ゴミ屋敷で人が殺された? 事件、そして被害者が瞬間移動した? 殺人事件の3編。今回も奇病による怪事と人為、哀しい話・温かい話・浅ましい話の取り合わせが巧みで飽きさせない。いつも「教えて下さい」ばかりだった小鳥遊が解決役を振られるのも見所で、恒例の冒頭クライマックス予告でそれを示していたのも効いていた。まあ彼が鷹央以外の女性と結ばれないのはほぼ確定事項で、そこからオチが読める面もあるけれど。良いシリーズ。
読了日:1月30日 著者:知念実希人

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プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
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