個々の事件は解明され始める、だが……

昨日、一昨日と学会があったので更新が遅くなりましたが、先週末は『マガジンSPECIAL』の発売日で、『絡新婦の理』コミカライズの第11話が掲載されました(そう言えば、今回は話数とサブタイトルが見当たりませんでしたが……)。



今回は当然ながら前回の続き、原作第6章の後半で、まずは織作邸を訪れた木場刑事が織作の三女・葵と対峙します。

絡新婦の理第11話1
 (京極夏彦/志水アキ「絡新婦の理」『マガジンSPECIAL』2016年No. 4、p. 528)

そろそろ実行犯の一人など、個々の事件については真相が判明し始める巻なので、ネタバレに気を遣うと語りにくくなってきますが……
ともあれ、刑事たちの横柄な態度に対して手厳しい葵相手に、武骨なようで相手の話に繊細に耳を傾ける面も持った木場は、一定の話を聞き出すことに成功します。
少しずつ状況が見えてくるのですが……

連続殺人鬼「目潰し魔」として指名手配中の平野祐吉、木場の友人で、「目潰し魔」第4の被害者とともに現場の連込宿に入った川島新造、そして平野を精神科医に紹介した友人で、もしや目潰し魔の正体では、という疑惑も持ち上がっている川島喜市――この3人がそれぞれに関わっているようでいて、共犯にしては杜撰、各々の関わり方が今一つ判然としないこの事件。
そんな現状を聞いた今川が、一つの推測を提示します。

絡新婦の理第11話4
 (同誌、p. 544)

偶然に謎を作った部分もあるとは言え、様々な人間の思惑が絡み合う何とも複雑な中で、徐々に実態が見えてくるカタルシス。
と同時にもう一つのポイントは、今川が見た目に反して頭の切れる男であることを、ようやくシリアスな展開の中で見せたことですね。

そんな中で、頭から胴体あで連続したプリンみたいだった今川の姿も、そのユーモラスで特異な容貌と、原作でも顎はほとんど存在しないと言われる造形はそのままに、少しは人間に近付いたような。
この顔でシリアスな陰影が馴染む辺りが不思議です。

絡新婦の理第11話3
 (同誌、p. 550)

「目潰し魔」の次なる被害者として狙われているのではないかと思われる娼婦・高橋志摩子については、その不幸な過去を聞いた木場は同情的で、何とか助けたいと思っているのですが、さてその結末は――

絡新婦の理第11話2
 (同誌、p. 548)


来月は単行本第2巻も発売予定。楽しみです。


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