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2016年12月の読書メーター

だいぶ遅くなりましたが、先月の読書メーターまとめです。

読書メーター2016年12月

29冊6343ページでした。
数は増えたように見えますが、実際には再読を含む漫画で頁数を稼いだだけです。
洋書を2冊読了してますが、これも薄いですしね……

以下は抜粋です。

【小説】



女子大生・早乙女翠のもとに、異世界から「聖女」を求めてきたという王子アルフォンスが現れる。彼に家事を任せつつ、同居させることになる翠。そんな中、新作ゲームがアルフォンスのことを描いていると知り、魔王の攻略法を求めてプレイを始めるが…ゲームの世界への召喚のその後にして逆パターン。奇跡の理由や異世界人がこの世界で生きる方法には説明が必要でも、ゲームの世界の存在は説明不要なのが今の文脈か。姉を亡くした上長い失恋の内にあった翠と孤独な王子アルフォンスの結構重い恋愛物でありつつ、単巻で綺麗に完結してて良かった。


アリアンローズの新刊、つまり「小説家になろう」発作品です。
ただし本作は元々WEB版だと、中編「聖女の、その後」の続編という形で発表された作品で、「その後」の主人公である異世界召喚された女性の、残された妹が主人公の物語です。もちろん、ほぼ物語としては独立しており単発でも読めるのですが、姉の聖女の方の辿った運命を知っているかどうかで(死体になって帰ってきたという事情により、本作の主人公は姉が悲劇的な最期を遂げたと信じています)印象の違ってくる部分はあるでしょう。まあこの単行本も最後まで読めば番外編で、姉のその後の真相を描いてはいますが。

なお、

・ゲームの世界への召喚
・異世界召喚の後日譚

はもう珍しくもないネタですが、本作はその合わせ技として「異世界召喚の後日譚として今度は召喚先の世界の人間がこちらにやって来て、さらにこの世界で自分たちのことを描いたゲームに出会う(こちらの世界の人間である主人公から見ると、やって来た相手の世界がゲームの世界だったと判明)」というかなり凝ったパターンです。そして「ゲームの世界」が現実に存在していて行き来までできることはすでにこの分野の定番なので、なぜかの説明は必要ない、ということなのでしょうか。
ただ、本筋にはあまり関係ないことですが、このゲームの設定で「脱出不可能なラストダンジョン内でセーブできる」というシステムは、準備不足で突入したまま内部でセーブしてしまうと詰みかねないので、拙いんじゃないでしょうか。ラスダン内には戦闘不能になった仲間の蘇生手段もない辺り、悪名高いPS版DQ7のハーメリア編より凶悪です。

なろう系作品では比較的珍しく単巻完結の本作ですが、同作者には他にも「聖女シリーズ」があり。それも単行本化される可能性はあるのでしょうか。


【社会・心理】



「やさしい人」が人気だが、その実相手に嫌われたくない、面倒を避けたいといった理由からくる表面的なやさしさが氾濫している。だが、相手のためを思ってあえて厳しいことを言うというやさしさもあるはずだ…教師、上司、恋人や友達、親といった様々な場面での、表面的なやさしさの実例が大半。こうした社会の変容の背景に「タテマエの崩壊」があることと、個中心の西洋文化とは異なる日本固有の「間柄の文化」に関する分析が少々。まあ分かりやすいのは確か。


まあ内容的にはごくまとも、言い換えれば普通。でもこういうことを思い出させるのも定期的に必要な仕事なのでしょう。


【文化財学】



かつては金融アナリストとして働き、現在は文化財修復会社の社長を務めているイギリス人による提言。日本の医療・年金制度を維持するには観光立国が不可欠だが、それには日本の文化財はあまりにも不親切であり、行政の指定にも偏りが大きく、また現場関係者にもその気がない。だがこのまま営業努力を怠れば日本の伝統文化は消滅する…大変に明晰で、伝統文化も経済の問題を避けて通れないという論点はよく分かるし、文化財と職人の世界の非常識と悪しき習慣に関する指摘も興味深い。だが改革への壁は高そうだ…。


「料金が安いということは、その分サービスしなくていい」という旨の指摘は卓見です。


【自然科学】



量子力学が明らかにする素粒子の常識に反した振る舞いについて、スピンの基本的性格、EPR論文の唱えたパラドックス、ベルの定理(局所性もしくは実在性への問い質し)、コッヘン-スペンカーの定理(状況依存性)、自由意志定理(非決定論)を順次解説。あまり数式を使わず、場合によっては科学部記者あかりとヒロシの架空の対話を使っての説明の分かりやすさもさることながら、「自由意志定理」という近年の研究の紹介というだけでも価値あり。コンパクトで手頃な入門書。




 (私が読んだのは↑ですが、別の版↓もありました)


神を介入させず自然現象を法則により説明すること、説明のための概念的存在の導入、師タレスへの批判…といった古代ギリシアの哲学者アナクシマンドロスの思想に科学的思考の原点を見る。不確実さの自覚と転覆の力を科学の特徴とするのと合わせて、物理学者ロヴェッリの科学論と言える一冊。そんな「革命」を可能にしたミレトスの歴史・社会・文化の解説もあり、世界中のあらゆる言語による古典の引用も豊富。最後は神なしの世界像という問題から宗教と社会という話題にも及ぶ。著者の教養、そしてイタリア人の古典への造詣には圧倒される。


哲学書でもイタリア人の書いたものはギリシア語を引用する率が高い気がします。古代ギリシア哲学研究でも今やイタリアではかなり優れた研究がなされているようですし。
著者のロヴェッリは物理学者で(同著者の本は1冊、先月に取り上げました)、本書もロヴェッリ独自の科学論という面が強いのですが、その教養のカバー範囲の広さには驚くばかりです。もちろんアナクシマンドロスのギリシア語も引用していますし、その他にも各国語の引用が豊富です。


【哲学】



セネガルの詩人にして初代大統領にもなったレオポール・セダール・サンゴールと、インドの詩人にしてパキスタン独立を唱えたムハンマド・イクバール。植民地支配から独立を勝ち取った2つの国の「建国の父」のネグリチュード(黒人性)やイスラムを掲げた思想に、ベルクソンの生命論や時間の哲学はどう影響していたのか。当の2人を知らない人にはやや取っ付きにくい本かも。ただ最終章はイスラム思想の紹介もあり、『二源泉』と同時期に親近性のある思想を展開した人物がいたという点も含めて、結構興味深かった。



読んだ本の詳細は追記にて。


12月の読書メーター読んだ本の数:29読んだページ数:6343ナイス数:558生ポアニキ パンプアップ (オーバーラップ文庫)生ポアニキ パンプアップ (オーバーラップ文庫)感想ユースケへの新たな扶助として12歳の少女・下野ナナがやってくる。だが彼女経由でネット放送の配信者・ジュンイチが彼らに関わってきて、今後を賭けた勝負に…。ユースケがここまでの積み重ねと成長を見せる熱さの一方で、相変わらず恋愛とセクシュアリティへの洞察も冴える。恋愛にもすぐ優劣を持ち込みたがる罪を、ヒロインと悪役の交錯で際立たせる様は巧み。アニキの活躍はやや控えめも、筋肉ネタと誤解を招く台詞による笑いも満載。最後で二重扶助の真相が判明し、扶助終了で締めかと思いきや、新たな三角関係により続く模様で、次も楽しみ。読了日:12月01日 著者:アサウラ
トリコ 42 (ジャンプコミックス)トリコ 42 (ジャンプコミックス)感想ついにGODとセンターを食し、完全復活するアカシア=ネオ。そして案の定というべきか、ブルーニトロの思惑をも超え…前巻では八王に押され気味だったアカシだが、ようやくラスボスらしい力を見せる。その代わりに八王が散っていくのが残念だが…。主人公のトリコは最後でようやく復活、今回圧倒的な存在感で魅せたのは復活の三虎だった。スタージュンの過去についてはほぼ予想通り、最期も良かった。でも食運で攻撃とかそれが食材とかよく分からない。次で完結だが、残りの悪魔とか活かせるのかね。しかし最後のシリアス展開で両さんの眉毛…読了日:12月06日 著者:島袋 光年
Che cos'è la scienza. La rivoluzione di AnassimandroChe cos'è la scienza. La rivoluzione di Anassimandro感想神を介入させず自然現象を法則により説明すること、説明のための概念的存在の導入、師タレスへの批判…といった古代ギリシアの哲学者アナクシマンドロスの思想に科学的思考の原点を見る。不確実さの自覚と転覆の力を科学の特徴とするのと合わせて、物理学者ロヴェッリの科学論と言える一冊。そんな「革命」を可能にしたミレトスの歴史・社会・文化の解説もあり、世界中のあらゆる言語による古典の引用も豊富。最後は神なしの世界像という問題から宗教と社会という話題にも及ぶ。著者の教養、そしてイタリア人の古典への造詣には圧倒される。読了日:12月06日 著者:Carlo Rovelli
ワンパンマン 12 (ジャンプコミックス)ワンパンマン 12 (ジャンプコミックス)感想今回は怪人同盟の怪人達vsヒーロー達がずっと続き、サイタマは武道大会に出ている…ということでストーリー的には大きな進展なし。怪人同盟の切り札的な強者とボス「怪人王」の顔見せがポイントだが、強敵はサイタマとの邂逅を引き延ばすことで意味を持つ。後半はタツマキ、駆動騎士、童帝、豚神、番犬マンとS級ヒーロー達の活躍。どんなにらしくない外見でも実力はS級なのが見られて楽しい。ガロウは忘れられそうな扱いだが、最後に登場。彼を絡めてどう収束するのやら。今回の番外編は1本だけで頁数も少ない。その分本編が進んで良かった。読了日:12月07日 著者:村田 雄介
「やさしさ」過剰社会  人を傷つけてはいけないのか (PHP新書)「やさしさ」過剰社会 人を傷つけてはいけないのか (PHP新書)感想「やさしい人」が人気だが、その実相手に嫌われたくない、面倒を避けたいといった理由からくる表面的なやさしさが氾濫している。だが、相手のためを思ってあえて厳しいことを言うというやさしさもあるはずだ…教師、上司、恋人や友達、親といった様々な場面での、表面的なやさしさの実例が大半。こうした社会の変容の背景に「タテマエの崩壊」があることと、個中心の西洋文化とは異なる日本固有の「間柄の文化」に関する分析が少々。まあ分かりやすいのは確か。読了日:12月09日 著者:榎本 博明
国宝消滅―イギリス人アナリストが警告する「文化」と「経済」の危機国宝消滅―イギリス人アナリストが警告する「文化」と「経済」の危機感想かつては金融アナリストとして働き、現在は文化財修復会社の社長を務めているイギリス人による提言。日本の医療・年金制度を維持するには観光立国が不可欠だが、それには日本の文化財はあまりにも不親切であり、行政の指定にも偏りが大きく、また現場関係者にもその気がない。だがこのまま営業努力を怠れば日本の伝統文化は消滅する…大変に明晰で、伝統文化も経済の問題を避けて通れないという論点はよく分かるし、文化財と職人の世界の非常識と悪しき習慣に関する指摘も興味深い。だが改革への壁は高そうだ…。読了日:12月09日 著者:デービッド アトキンソン
はじめの一歩(2) (講談社コミックス)はじめの一歩(2) (講談社コミックス)感想1巻どこにやったかな……宮田と二度目のスパーリングを戦い、デビュー前ながら記者にも注目される一歩。そして鷹村の試合を経て、プロテストまで。いかにも悪役風のライバル候補・間柴も登場。ボクシングを始めて3ヶ月でこの戦い振り、現実的に考えれば速いが漫画としては地道で、初心者の主人公が積み重ねて成長する様がきっちり描かれているのがいいところ。しかし鴨川会長の「宮田にアウトボックスされたら勝てない」「カウンター封じの策がない、当たれ」がその後ずっと一歩のスタイルとして続いているのを思うと少し苦笑。読了日:12月10日 著者:森川 ジョージ
聖女の、妹 ~尽くし系王子様と私のへんてこライフ~ (アリアンローズ)聖女の、妹 ~尽くし系王子様と私のへんてこライフ~ (アリアンローズ)感想女子大生・早乙女翠のもとに、異世界から「聖女」を求めてきたという王子アルフォンスが現れる。彼に家事を任せつつ、同居させることになる翠。そんな中、新作ゲームがアルフォンスのことを描いていると知り、魔王の攻略法を求めてプレイを始めるが…ゲームの世界への召喚のその後にして逆パターン。奇跡の理由や異世界人がこの世界で生きる方法には説明が必要でも、ゲームの世界の存在は説明不要なのが今の文脈か。姉を亡くした上長い失恋の内にあった翠と孤独な王子アルフォンスの結構重い恋愛物でありつつ、単巻で綺麗に完結してて良かった。読了日:12月11日 著者:六つ花 えいこ
お前みたいなヒロインがいてたまるか!  3 (アリアンローズ)お前みたいなヒロインがいてたまるか! 3 (アリアンローズ)感想今回は丸々中学編3年間。恭介にアタックし、他の女子を攻撃する美緒を牽制する椿。シリアス寄りだが敵の美緒が幼稚なので危機感は弱め。新たにゲームでの攻略キャラも登場するが影は薄め、ゲームに近い世界でも、登場キャラに限られない人間がいて、皆自分の意志で生きている中での人間関係闘争が見所。それだけにどうすれば終息するか見えづらいのが厳しさ。椿が傷付けられて友人達が怒る場面は、少なくとも確かな友情を築いていたことを実感して胸が熱く。頼りなかった恭介もはっきり意志表示して良かった。レオンとは進展したと言うべきか…?読了日:12月12日 著者:白猫
小林さんちのメイドラゴン(5) (アクションコミックス(月刊アクション))小林さんちのメイドラゴン(5) (アクションコミックス(月刊アクション))感想今回は新キャラや新展開はなく、皆で花見、睡眠の話、小林さんが風邪をひいて看病、トールが町内見回り、メイド喫茶に挑戦、はたまたカンナの友達になった才川さんが尋ねてきてイルルと対面、ルコアと翔太の日々ect.各キャラの日常と掘り下げが主体。トールとエルマの過去も描かれる。人間とドラゴンだけでなく、ドラゴン同士でも価値観や常識、生き方の隔たりは大きいが、むしろそんな中で互いに順応して、しばしば空回りや暴走しながらも少しずつ変わりつつ生きていることが印象的。最後は夏祭りでラブコメっぽい展開に(女同士だけど)。読了日:12月14日 著者:クール教信者
Bergson postcolonialBergson postcolonial感想セネガルの詩人にして初代大統領にもなったレオポール・セダール・サンゴールと、インドの詩人にしてパキスタン独立を唱えたムハンマド・イクバール。植民地支配から独立を勝ち取った2つの国の「建国の父」のネグリチュード(黒人性)やイスラムを掲げた思想に、ベルクソンの生命論や時間の哲学はどう影響していたのか。当の2人を知らない人にはやや取っ付きにくい本かも。ただ最終章はイスラム思想の紹介もあり、『二源泉』と同時期に親近性のある思想を展開した人物がいたという点も含めて、結構興味深かった。読了日:12月14日 著者:Souleymane Bachir Diagne
巨娘(3) (アフタヌーンKC)巨娘(3) (アフタヌーンKC)感想忘れた頃の3巻。巨娘・ジョーさんの活躍が痛快なシリーズ。コマ間にナレーションの入る、情報量が多くも淡々とした作者特有の表現で、人を彼方までぶっ飛ばしたり素潜りで瞬時に神奈川と千葉の海産物を獲ってきたりするギャグ描写が大真面目にあったこととして描かれているシュールさが堪らない。彼氏・美樹君の好きなアニメには興味が無さそうながら幻のビデオを入手すべく戦ったり、美樹君と喧嘩したりのエピソードも良い。千鶴の会社での悩みやサチとタケルのデートと、サブキャラの話があったのも良かった。敵は意味不明過ぎるが楽しかった。読了日:12月15日 著者:木村 紺
ソフトメタルヴァンパイア(1) (アフタヌーンKC)ソフトメタルヴァンパイア(1) (アフタヌーンKC)感想吸血鬼に支配された世界、人間の女子高生・斎美井香はその秘めた能力ゆえに狙われる日々が始まる…。久々に読む遠藤浩樹だが、不死身の吸血鬼で元素を操る能力者たちのバトルとは意外とオーソドックス。わざとらしいラブコメ的出会いから一気に血塗れの殺戮の急展開、グロさ、SF的世界観等はらしさだが。ただかつての思弁性はあまり見当たらない。武闘派だったけど能力者バトルに放り込まれてからは戸惑いっ放し、適度にサービスシーンもあるヒロインが良くて一気に読んだけど。彼女の覚醒と選択が鍵だろうか、その時は痛切なものを見たいところ。読了日:12月16日 著者:遠藤 浩輝
はじめの一歩(3) (講談社コミックス)はじめの一歩(3) (講談社コミックス)感想ついに一歩のデビュー戦。相手の小田裕介は自分の才能を過信したちゃらんぽらんな男で、大したことはないとの評判だったが…相手の力を最大限引き出させて盛り上げることになるのは主人公としての宿命だろうか。相手の実力と評判、優勢ながら出血でドクターストップの危機という苦戦の仕方、いずれも絶妙なバランスで、一歩の強さと未熟さ、今後の伸びしろを共に見せており、実に巧み。敵側のドラマも王道だし。学校での生活はほとんど描かれないのでたまに見てちゃんと学校行ってたんだ、と思い出すくらい。読了日:12月19日 著者:森川 ジョージ
奇異太郎少年の妖怪絵日記 九 (マイクロマガジン☆コミックス)奇異太郎少年の妖怪絵日記 九 (マイクロマガジン☆コミックス)感想すねこすり、夜行さんと普通に妖怪に行き逢う話から始まりつつ、のっぺら坊では妖怪に相談を受けたりする辺り、あやしやも含めて妖怪との付き合いのネットワークが広がってきた証か。畑に蒔いた謎の種の正体も判明したりと、今までの積み重ねが生きてるのがいい感じ。後半は大蝦蟇、鬼熊とUMA系の妖怪が目立つ? 日和坊の下衆っぷりに苦笑。前半の閑話は鼠浄土、テーマパークネタにアレンジしつつ、現状の儚さをも匂わせる、上手い。後の閑話は雪娘のための氷室設置、番外編も雪娘で、今回のヒロインは雪娘ということか。読了日:12月23日 著者:影山理一
安達としまむら(1) (ガンガンコミックスONLINE)安達としまむら(1) (ガンガンコミックスONLINE)感想原作1巻中盤、安達クエスチョンまで。基本は縦4段均等分割のコマ割り(ただし4コマごとにオチがある訳ではない)で、毎回一部だけ変化のあるコマ割りになるのは、日常4コマを意識した淡々とした時間の流れの表現なのか。雰囲気は結構出ているかと。大筋は原作通り、むしろ新鮮なのは原作イラストの少ないサブキャラ。特に日野は小さくてリアクションの豊富な感じがよく出ていて非常に可愛い。永藤はぼんやりした印象が増して、原作の見た目だけは優等生な感じは薄れたか。カバー下でも日野永藤でいちゃいちゃしてて良かった。読了日:12月23日 著者:入間 人間,まに
量子力学の反常識と素粒子の自由意志 (岩波科学ライブラリー)量子力学の反常識と素粒子の自由意志 (岩波科学ライブラリー)感想量子力学が明らかにする素粒子の常識に反した振る舞いについて、スピンの基本的性格、EPR論文の唱えたパラドックス、ベルの定理(局所性もしくは実在性への問い質し)、コッヘン-スペンカーの定理(状況依存性)、自由意志定理(非決定論)を順次解説。あまり数式を使わず、場合によっては科学部記者あかりとヒロシの架空の対話を使っての説明の分かりやすさもさることながら、「自由意志定理」という近年の研究の紹介というだけでも価値あり。コンパクトで手頃な入門書。読了日:12月24日 著者:筒井 泉
プ~ねこ(6) (アフタヌーンKC)プ~ねこ(6) (アフタヌーンKC)感想猫が普通に人間と同じ社会的地位を占め、会話して共存していたり、はたまたリモコンやらスマホやら道具が猫化していたりする(エクスカリバーまで)自在な猫4コマ、ついに6巻目。相変わらず猫の生態とリアクションが写実的で、そこに人間的な省察と台詞を重ねているのが堪らない。表紙から猫でミュラー錯視とか、コマ間に跨る迷路とか凝ったネタも多い。猫以外のネタも日常的なことに対する鋭い洞察で感心させられることは多い。最後のスーパーマンネタでも驚嘆。そりゃ先住民が猫なら…。そしてモコちゃんの父も少しずつ話が繋がってる…。読了日:12月25日 著者:北道 正幸
敷居の住人 新装版 1 (BEAM COMIX)敷居の住人 新装版 1 (BEAM COMIX)感想再読。志村貴子の出世作にしてマイフェイバリット漫画の一つ。本田千暁は頭を緑に染め、煙草も吸う中学生(ただし一人では学校もサボれない小心者)。美少女のキクチナナコ、自分とそっくりな顔の新任教師・兼田、そして生き別れの父といった人達と出会い翻弄される日々…ただ序盤はドラマチックな展開を意識してか、外的条件に振り回されてる感が強くて、後とは大分違う。兼田の(BL的)責めも目立つ。この時期ナナコの影が薄いのと近藤ゆかの登場が早かったのが意外。初期ゆかの無邪気な印象なこと。後、ハゲこと加茂先生が美味しい役だった。読了日:12月26日 著者:志村 貴子
敷居の住人 新装版 2 (BEAM COMIX)敷居の住人 新装版 2 (BEAM COMIX)感想引き続き再読。高校には行かないとか反抗しつつ、どうにか千暁が高校進学を決めるまで。ポイントは今巻2話目(第12話)、むーちゃん(村上宗春)→ナナコ→兼田の恋愛事情の果てに、ナナコの失恋と同時に千暁と村上の友情も決裂する回。この辺りから思春期の鬱屈が、身を切るような鋭さで伝わってくるように。客観的に見れば家庭の事情等あれど、それ程不幸という訳でもない、だからこそ些細なことで傷付き悩む心情が、実によく分かる。ナナコとは強引に友達にされ、ゆかにはストーカー絡みで頼られ…関係性はこの時点で確立されてた感あり。読了日:12月26日 著者:志村 貴子
敷居の住人 新装版 3 (BEAM COMIX)敷居の住人 新装版 3 (BEAM COMIX)感想再読。この辺りから劇的な展開がありそうに見えて続きはないぶつ切りスタイルが定着。どこへも進まずオチもない日常を体現するかのように。内容的には高校でむーちゃんと再会、新たに出会った少女・安達佑佳里に恋もした千暁だが、佑佳里のむーちゃんへの想いでまた決裂。ナナコと逃避行したりゆかと付き合ってみたり…女子に人気でも意中の相手はままならず、しかも周りの女達に恋愛事情筒抜けで振り回される怖さ辛さ。「ヤリたい」で悶々とする痛さも思春期のリアル。個人的な気に入りは今も昔もゆか。暴言も含めある種素直で、佑佳里とは対照的。読了日:12月27日 著者:志村 貴子
敷居の住人 新装版 4 (BEAM COMIX)敷居の住人 新装版 4 (BEAM COMIX)感想再読。ゆかとナナコで二度も土壇場で拒絶され初体験失敗、拾った子猫のイワシに逃避する千暁…。近藤ゆかとの紆余曲折が殊に魅力的。彼女はあてつけと自棄でセックスしようとして失敗し、いじめに自力でケリを付けて、ようやく千暁との男女関係に入れたということか。初体験に至る回は夜の静けさと二人の不器用さがマッチして素晴らしい。でもその後は…「どうして俺の好きな女は俺を好きじゃないんだろう」単純だがこれが全て。今読むとナナコは劇的な展開にはほとんど関与せず、気が付けば千暁と互いに寄り添うところを見出しているのに気付く。読了日:12月27日 著者:志村 貴子
敷居の住人 新装版 5 (BEAM COMIX)敷居の住人 新装版 5 (BEAM COMIX)感想再読。ナナコは一時むーちゃんと付き合いながら千暁への想いを表明し(兼田への未練も断ててないが)、千暁はテディベア作りに嵌り、中嶋くるみは山川こういちと付き合い始め、兼田夫妻に子供が生まれ…前巻までのドロドロした恋愛模様に比べると淡々とした日常の空気が強く、千暁とナナコは長い付き合いでぴったり嵌っていながら初々しい。久々に安達佑佳里と接触があったり、近藤ゆかの家に呼ばれても何もないのも含めて、千暁にとっては諸々が精算され、収束に向かいつつある印か。今巻終盤辺りの話を初めて連載で見た時の名状し難い感銘が蘇る。読了日:12月27日 著者:志村 貴子
敷居の住人 新装版 6 (BEAM COMIX)敷居の住人 新装版 6 (BEAM COMIX)感想初読から約15年、今読むとこういうことでこれだけ悩めるのは思春期ならではだな、と大分俯瞰した想いで読めるものの、相変わらずそんな思春期の繊細な感情の縺れ合う描写には感嘆し、どこにも向かわないダメ人間の心理には深く共感する。そして、生きていていいんだよ、と言われた気になれる。さて話としては安達佑佳里がまた寄ってきたりするものの、千暁はナナコと結ばれ、高卒フリーターでテティベアを作ったりしつつ生きてます、以上。落とし所もない青春模様のぶつ切り描写の中で、唯一の収束点が彼ら二人の関係だったということで。読了日:12月27日 著者:志村 貴子
爆熱戦湯姫 1 (ヴァルキリーコミックス)爆熱戦湯姫 1 (ヴァルキリーコミックス)感想温泉宿の暖簾を賭けて、「源泉力」という異能で戦う「戦湯姫」。10年ぶりに故郷に帰ってきたキッコは戦湯姫として波乱を引き起こす…まあストーリーについてはこれ以上語ることも。熱血バカで気っ風のいいキッコのキャラと、恥じらいから程遠い豪快なエロスがポイントだろうか。ただ異能バトルとしては…『グレネーダー』では「おっぱいリロード」を始め、銃器を使った破天荒ながら凝ったギミックとアクションを描いた作者なのを思うと、キッコはもっぱら髪の毛操作で殴るのが主体(他の身体部分も操作できるが)でどうも見せ所が少ないような。読了日:12月27日 著者:海瀬 壮祐
異世界から能力そのままに勇者が戻ってきました。 (レッドライジングブックス)異世界から能力そのままに勇者が戻ってきました。 (レッドライジングブックス)感想異世界に勇者として召喚され、邪神を討伐したがダンジョンの崩壊で死んだ青年は、現代日本に吉良沢芳人として転生した。しかも異能をそのままに(実は人知れず存在していた)退魔師の家に…「前世の能力を持って転生してチート」をもう1回現代世界に持ち込んだ転生出戻りとでも言おうか。異能といいヒロイン達といいいかにもな設定が過剰で展開はあっさり目、この分野のパロディ感も。ただ、死者すら蘇生させる魔法の存在もあり、死を経験した転生者を現代に持ち込んで死生観を転覆するのが目標だろうか。現世の父が敵というのもポイントかな。読了日:12月27日 著者:遠野 九重
張り合わずにおとなしく人形を作ることにしました。 3 (アリアンローズ)張り合わずにおとなしく人形を作ることにしました。 3 (アリアンローズ)感想今回最大のポイントは主人公を転生させた神・アスアの豹変。しかも実は最初から…というより鞍替えしただけ、というのが何とも。ゲームでハッピーエンドを迎えても作中人物がその後安泰とは限らず、プレイヤーは「次」を求める…そんなゲーム的あり方を現実世界に持ち込む歪さが主題か。定型設定の条件と帰結を真剣に考察するのは作風かな。世界設定がループであることと、ループを引き起こす存在の所在も明らかに。この世界をゲームとして知る上、「リセットボタン」を握る身で、「キャラクター」ではなく真の他者と付き合えるか…それが問題だ。読了日:12月28日 著者:遠野 九重
安達としまむら7 (電撃文庫)安達としまむら7 (電撃文庫)感想付き合い始めた二人。「彼女」という関係に相応しい特別として何をするべきなのか…いつものようにしまむらは淡々と、安達は暴走気味に、あり方を模索する。心温まるやり取りの一方で、しまむらの方はこの結果として失うものを自覚していて、少し空恐ろしい。ifストーリー2編を含めて夢と仮想の描写が多く、なんだか幻想文学テイストな面も。その「運命」への確信は事実か錯覚か…。サブキャラは相変わらずで楽しい。永藤の相変わらずのブーメラン推しに笑う。忘れっぽい彼女がこれだけ一貫してる時点で本気の趣味らしい。読了日:12月29日 著者:入間 人間
魔法少女育成計画 episodesΦ(エピソーズ・ファイ) (このライトノベルがすごい! 文庫)魔法少女育成計画 episodesΦ(エピソーズ・ファイ) (このライトノベルがすごい! 文庫)感想今回は『limited』以降のメンバーの補完が主体ではあるが、無印と『restart』メンバーが主役の話も。それは人気投票による選考の結果らしいが…他方で『limited』の新人組は魔法少女歴が短すぎてほとんど出ようがないのが悲しい。逆にトットポップの便利なこと。『limited』と『JOKERS』生き残りの後日譚はとても良かった。悪役の意外な魅力を見せたり、本編では活躍の余地の無かったキャラの魔法が活きたりするエピソードも楽しい(特にカフリア…)。魔王塾関係の新キャラが本編に輸入される日は来るだろうか。読了日:12月30日 著者:遠藤 浅蜊
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プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
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