オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
猛暑
感じてはいましたが、今年は暑いですね。
我が家では、リビングでもごろごろしていても扇風機から熱風が来ます。南向きの部屋でなければもう少しマシなことに気付きましたが。
冷房をかければその分家の外が暑くなるのが道理、つまり都市はヒートアイイランド現象で暑いのだ…と思いきや、山の中の本学も暑いです(もうさすがに、大学に出て行く必要はあまりありませんが)。
教室では一人一人に扇風機も用意できない以上、我が家にはエアコンがなくとも学校には必須ではないかという気もします。本学の講義棟にエアコンが設置されたのは近年のこと(実は去年から)ですが、一応設置された現在でもエアコンの前は寒くてそこから離れると暑かったりする場合もあります。これに加えて、各教室に1つか2つ、空気循環用の扇風機が必要ですね、これは。
さて、去年の今頃は自動車学校に通っていました。
今年はそのように、8月いっぱいかかりそうな予定はありませんが、8月の頭に介護等体験実習があります。それまでにはこの実習の教科書も読んで勉強しておかなければならないでしょう。何だか、夏は意外にまとまった休みが取れないような気がしますね。
まあ、介護等体験実習以降に大きな予定がある訳ではない分、良い方なのですが、9月には集中講義もあり、では8月中に登山に行こうか等という話もしていますので。海外に長期滞在(この季節なら北の方でバカンス)とかいうのはなかなか難しいですね。
さて、ここで別記事にした方が良いくらい話題は変わりますが、『中央公論』8月号にノーベル物理学賞受賞の益川敏英氏のインタビューが載っています(インタビュアー:竹内薫)。その中にこんな一節が。
益川 ……1970年代の中ごろ、日本の数学者や高校教師がソ連の学校の視察に行った。高校に相当する授業です。
正規の授業での内容は日本とそう違わない。しかし、課題活動の数学クラブでは実に面白いことをやっていた。
たとえば定幅曲線というものがあって、円がそれに当てはまるけれども、幅が常に一定である定幅曲線について先生が面白い問題を出し、生徒に答えさせていた。
竹内 幅が一定…ロータリーエンジンに使われているルーローの三角形みたいな図形ですね? 正規の授業では無理でも、数学クラブであれば、そういう高度な内容も扱える。
益川 ……こうした課外活動をやるなら、場合によっては、定年で大学を辞めた人を講師に迎えてもいい。小遣い銭程度の報酬でも、喜んで来てくれると思う。
学問というものを味わってきた人がその面白さをダイレクトに伝えてくれるわけだから、受け入れる生徒も先生も大いに刺激を受けるはずです。
(《「教育汚染」をやめ、若者が科学に夢を持てる国に》、『中央公論』2010年8月号、p.58)
益川氏が教育現場について持っているイメージは、必ずしも現状と一致している訳ではないと言う向きもあるでしょうが、「できる子は高度な内容を学べる場をもっと作っても良い」という話なら、私としては必ずしも大きな異存がある訳ではありません。前のページでは「落ちこぼれ気味の人と進んでいる人を、ごっちゃにして議論するのは間違い。別々の対策を立てなければいけない」とも言っていますし。
ただ疑問なのは、それを学校の中でやらねばならない必然性はあるのか、ということです。
裏を返すと、皆に授業を受けさせる「学校」とは何ぞや、ということです。
学校の正規の授業ではできないような高度なことをやっている、というなら、お稽古事の類は皆そうですね。受験対策に限らない内容を教えている塾の類もあるでしょう。そちらを支援した方が良いのではないか、ということです。
まかり間違って「学校でやるように」と制度化したりすると、講師に払う報酬は「小遣い銭程度」でも、まず呼ぶべき人を決めたり場所と時間を確保したりするのに思わぬ負担がかかったりする可能性もありますし、結局どこの学校でもうまく実現できるとも限りません。できなかった学校はどうするのでしょうか?
こう言うと、「塾は、住んでいる場所や学費の問題で、通える子と通えない子がいるから…」という論議が出て来ます。しかし、では、学校でやるよう制度化しても、どの学校でも同じように充実した形で実現できる保証があるのでしょうか? 充実している学校に行けない子はどうなるのでしょうか? 逃れることはできません。
何か考えるなら、塾に行けない子を行けるよう支援する方法でも考えたら、ということです。それも全国的に制度を実施するより、私的に支援機構でも作ってです。
私が何のことを言いたいかは明らかだと思いますが、学校知らずの作った余計な制度はもうたくさんです。
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