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ある偉業 ~『海皇紀』最終巻に寄せて~

月刊少年マガジンに連載されていた漫画『海皇紀』(川原正敏)の最終巻となる45巻が本日発売しました。
海皇紀(45)<完> (講談社コミックス 月刊少年マガジン)海皇紀(45)<完> (講談社コミックス 月刊少年マガジン)
(2010/09/17)
川原 正敏

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舞台は遠い未来、現代の文明は失われ、帆船で移動して剣と弓矢で戦っているような世界観です。
主人公は、海を領地(?)とする「海の一族」の影船(この世界では最も速い帆船)八番艦の長、ファン・ガンマ・ビゼン。彼が「大陸一の兵法者」トゥバン・サノオや亡国オンタナの姫マイア・スアル、そして大陸に覇を唱えようとする騎馬民族国家ウォルハンの王族カザル・シェイ等と出合い、大国ロナルディアと戦っていく壮大な物語です。
ロナルディアは「魔道の兵器」と呼ばれるロストテクノロジー(と言っても、大砲や爆薬レベルですが)を手に入れて覇を唱えようとしている訳ですが、それに軍略や船を操る技をもって挑んでいくという話です。

ロナルディア軍とは別ですが、失われた文明の遺産として、現代よりも遙かに進んだ科学の産物も少し登場。
ラピュタのロボットみたいなのも出て来ます。
海皇紀 土武者
 (8巻、p.38)

この漫画の特色として、剣を持った人間同士の白兵戦もありますが(こんなロボットと剣で戦うようなとんでもない人間の戦いです)、帆船での海上戦が多いことが描かれます。
乗り込まなければ弓矢くらいしか攻撃手段はないので、船を操る技量での勝負が主体になります。帆船はどのように動けるかという、かなり細かい知識に基づいていて、過去にはあまりなかったジャンルなのは確かでしょう。

しかし、面白い漫画、個人的に好きな漫画はたくさんある中、あえてここでこの作品を取り上げたのにはもう1つの訳があります。
45巻というこの作品の巻数です。

これだけ長く続くと話がグダグダになっていることが多いのですが、本作の場合、色々な付け足しエピソードを差し挟んだり、新しい敵が出て来たりという引き延ばしは(少なくとも目立った形では)ありません。最初から上記のような壮大なストーリーを展開すべく始まり、きわめてマイペースに展開し、きちんと完結しました。
この巻数では稀に見る偉業と言っていいと思います(最後の方のまとめ方は、満足しない向きはあるかも知れませんが)。

作者の川原正敏氏は格闘技漫画『修羅の門』で一世を風靡した作家です。しかも、『海皇紀』が終了して間もないというのに、近々『修羅の門』の続編を始めるようで、これも楽しみです。コンスタントな働きぶりは大したものですね(絵の密度は低いとは言え)。
修羅の門(1) (講談社漫画文庫)修羅の門(1) (講談社漫画文庫)
(2001/01/12)
川原 正敏

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                           (芸術学3年T.Y.)

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テーマ : 芸大・美大・その他美術系学校 - ジャンル : 学校・教育

コメント

No title

ひさしぶりに全巻をよみなおしておりました。
主人公が海王になった場面を見たかったなあ!

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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