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言うだけなら話は早いが…書式の話

いつぞや、参考文献の書き方は必要とあれば各自習うでしょう、等と書いた覚えがありますが、実はこれ、想像以上に色々と曖昧なこともあるのですね。
(翻訳ですが)自分の原稿を校了したこともあり、ちょっと書いてみようかと思います。

まずは和書の場合から。

書名は『』に入れる――これが大原則です
基本はこうなります↓

 著者名『書名』、出版社名、発行年、頁数

翻訳の場合は訳者名も入れたいところですね。訳者が複数いて長くなる場合、監訳者一人でもいいんですが、少なくとも翻訳であるということが一目で分かった方がいいでしょう。
では、訳者名はどこに入れるか?
原著者名が○○、役者名が△△だとして、これがまず一つ。

 ○○『書名』△△訳、出版社名、…(以下同上)

しかし、こういうパターンも見たことがあります。

 ○○著、△△訳『書名』、出版社名、…(以下同上)

さらに、書名の後は()に入れるパターンも。

 ○○『書名』(△△訳、出版社名、…(以下同上)

これは翻訳でなくても使えますね(今回の翻訳原稿では、先生の方針でこのスタイルになりました)。

● 続いて、本の一部である論文や記事のタイトルは通常のカギカッコ――「」を使います
収録されている雑誌の名称が書名に当たります。

 著者名「論文名」『雑誌名』、出版社名、…(以下同上)

雑誌名には巻・号数も付けましょう
雑誌名の前後に「収録」とか「所収」という文言を入れるべきか…正直な話、よく分かりませんが、まあなくても分かるでしょう。

さらに洋書の場合。

書名はイタリック(斜めの字体)で表記します

 Author, Title, Publisher, City, Year, p.00

(どうもイタリック体がちゃと表示されているか心配なので、下線も付しておきました。手書きの場合などはイタリック体を用いる代わりに下線を付しておけば大丈夫です)
出版された都市名(City)を入れるのが通例ですが、中には分からない本も…
コンマの後半角スペース一つ空けて並べれば大丈夫です(このスペースの空け方などは、今回特に大量に校正する破目になりました)。

● 論文・記事の場合…どうしましょう
英語では‘‘ ’’に入れているのは見たことがありますね。
フランス語だと通例« »を使います。

 Author, ‘‘Title’’, in Journal, Year, p.00
 Auteur, «Title», dans Journal, Année, p.00


下段は「所収」を示す前置詞をdansとフランス語表記してみましたが、一つの論文内で英語・フランス語・ドイツ語の文献を引用する場合文献によって変えるのか、と考えると、もうどうでもいいような気もしてきます。少なくとも、本文を日本語で日本人向けに書いている限り。
この辺になると、本当によく分からなくなってきますね。手近なものを参考に手に取ってみるとそれぞれ違うということもしばしばです。多分、分野によっても違うかも知れません。一つの論文内で統一されていればいいんじゃないでしょうか。
海外雑誌の場合、出版社や都市名が入っているのはほとんど見ません。

● 頁数
引用範囲が1ページの場合、「p.55」(例)
複数ページに渡る場合、「pp.55-58」(例)


もっとも、ドイツ語の場合p.でなくS.(Seiteの頭文字)を使うとか、話を際限なくややこしくすることはできますが…

ちなみに、和書の場合は漢数字を使って「○○頁」とするのが普通ですが、ご覧になればお分かりのとおり、本ブログではこれを全く守っていません
と言うのも、どうせ横書きなら、漢数字を使うと読みにくくなるだけですから。
ついでに言えば、本ブログの場合、洋書から引用する時は原題と頁数も表記していません。原著を当たる読者を想定していないので、目障りなだけと判断したためです。

● 前に出た本をまた引用する場合、和書なら「前掲書」、洋書なら「op.cit.」

 著者名、前掲書、頁数
 Author, op.cit., p.00


op.cit. も書名なのでイタリック表記すべきかと言うと…正直、まちまちなような気がします。
同著者の著作なら、だいぶ前に出てきたものでも指示できます(あんまり遠くだと面倒になりますけどね)。ついでに発行年で区別できる場合、それを添えれば、同著者の著作が複数出ていても大丈夫ですね。

● 直前に引用したものと同じものを引用する場合「同書」「ibid.」「ibidem.
ibid.」「ibidem.」は頁数まで同じところ――「同所」を指すのに用いることもありますね。「同書」の意の場合はその後に頁数を入れましょう。


さて、これを書き終えて読書を始めると、早速その本の参考文献の書き方はこの書式と違っていたりするのが面倒なところです。
                           (芸術学3年T.Y.)

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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