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悪いのは何か?

色々書いてきましたが、実のところ本学の紀要がいつ刊行されるのかは知りません。
二校を提出してから最終稿ができるまで一週間でした(確か)からね、印刷・製本するのに三週間かかっても、も3月下旬にはできそうな気がしますが。
第一、メイン執筆者として登録しているのは先生ですから、私が現物を貰えるのかどうかもよく分かりません。いや、先生経由で貰える予定だったのですが、先生が不在ですしね…

いずれにせよ、発行されたら分かりはするはずですので、またその時に。

3月下旬には学外で研究発表の予定もあります。
駄目元で応募してみたら通ってしまったという感じですが。
ちょっと遠出するので(珍しく)早めに宿と交通の予約はしましたが、発表用原稿を「書く」方は遅々として進んでいません。勉強はしているつもり…ですけどね。
大学でやった研究発表を流用するとか言いつつ、大幅に書き直す余地があるわけでして…

 ~~~

ここでまた一気に話は変わりますが――

京極〔夏彦〕 祐天上人という偉いお坊さんがいらっしゃいまして、水子供養の基礎はこの方がお作りになったんですね。
宮部〔みゆき〕 あ、そうなんですか。
京極 それまでは幼子の霊というのは認められていなかったんですね。七つに満たない子供は亡くなっても供養も葬式もしない。ましてや生まれてこない子供にいたっては、いうに及ばずという時代があった。人扱いしない。でも、妊娠した女性にしてみれば、これは悲しいことですよ。少なくとも何ヶ月かおなかのなかに宿っていたものがなくなるわけですから。でも、そうした気持ちを救済するシステムはなかった。
 祐天上人という人は、発明をする人だったんです。で、たぶん仕組みもわかった人だったんだと思う。ですから、一時期は教団を離れて、「闇」の部分を担うような宗教活動もされていた。表裏を問わず、手段を選ばない。大きな伝統宗派を学んだ仏教家としては、悪霊払いなんてものは如何なものかということになるわけです。けれどもきちんと救ってやる、癒してやることができないのであれば意味はなかろうと。とにかく「救わなきゃしょうがないじゃないか」と、確信犯的なことをおやりになる。
 有名な羽生村の「累(かさね)」を成仏させたのも祐天上人ですね。で、水子供養も発明した。これは、生きている人を救うために考え出された方便ですよ。水子の霊なんてものはない。でも、子供を流してしまった人の悲しみというものは厳然としてある。そこで便宜的に人権の範囲を拡大してやる。まさに、死後の世界は生きているものにしかないと、知っていたわけです。
 これは偉業だと思う。それで人が救えるなら嘘でも詭弁でもかまわんだろうという姿勢は、心の領域を扱う分野では正しいと思う。しかし、ひとを救うために作られた水子という発明が、今はどうなっているか。
宮部 逆だものね。
 (京極夏彦・宮部みゆき「妖怪と心の闇をのぞく」『対談集 妖怪大談義』、角川書店、2005、pp.136-137)


確かに「あなたには水子の霊が憑いている」と人を脅す悪い奴が世の中にはいます。しかし、そこで「悪用されるようなシステムを作った祐天上人が悪い」と言い出すのは、“使い方次第で良くも悪くもなるもの”を使いこなす工夫をせず、もののせいにするクレーマーの態度でしょう。

例えば――コンニャクを喉に詰まらせて死ぬ人がいます。
しかし、コンニャクに文句をつけて追放することと、喉に詰まらせないよう気を付けてコンニャクを食べることができることと、どちらが大事か、ということです。
皆が気を付けて食べることができなくなったとしたら、そのほうが大問題です。
もちろん、人がコンニャクを喉に詰まらせるよう謀るのは論外です。
かと言って、喉に詰まるようなコンニャクは「間違ったコンニャク」だというわけでもありません。
                           (芸術学3年T.Y.)

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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