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あいつを降ろせ、とまでは普段なら言いませんが

もし私が関東に住んでいたら「俺のところも停電で大変なんだから、何とかしろ」というクレームは言いますまい。
そして、現実には私はさほど困っていないから、どちらかというと傍観者の物言いになる、ということは前置きしておきますが…

最近、TVをつけると高確率で枝野幸男官房長官が出てきます(菅総理も出てきますが枝野が圧倒的に多い)。いつも防災服で記者会見をやっていますね。
まあリアルタイム放送ではないことが多いでしょうが、ひたすら同じ内容を再放送しているのかというとそうでもなく、福島原発事故の状況等について、そのつど現在の状況を報告している…らしいのです。
らしいというのは、よく分からないからです。
こういう専門的な内容が絡む場合、

 専門家の話 → 完了が原稿を作成 → 政治家が棒読みする

という手順になっているのでしょう。
こんな二重の回り道を経て、本人もよく分かっていない話を棒読みされても、何を言っているのかさっぱり分かりません。
明らかに時間と放送コストの無駄です。

そして、なぜこう会見ばかりしている暇があるのかも分かりませんし、そもそもなぜ防災服を着ているのかも分かりません。
防災服というのは現場で作業するためのものでしょう
いつもきれいな防災服でTVに出ているのでは、それ自体が「対処しています」というパフォーマンスだと取られても仕方ないでしょう

現場に行く時にはヘリで上空から高みの見物。

 ~~~

さて、もう旧聞に属する話ですが、昨日のニュースを。

 菅直人首相は十六日夜、笹森内閣特別顧問と官邸で会談した。笹森氏によると、首相は福島第一原発をめぐる東京電力の対応について「本当に最悪の事態になったときは東日本がつぶれることも想定しなければならない、という危機感が非常に薄い」と批判した。
 十五日総長に東電本社に自ら乗り込んだことについては「自分は原子力の問題に詳しいので」と説明したという。首相は東京工業大学理学部出身。
  (『中日新聞』2011年3月17日、2面)


「俺詳しいよ」分かってない奴がよく言う台詞です。
もっと言うと、自分の知の及ばないことが世の中にどれくらいあるか分かっていない人の台詞です。

それで「対処できている」つもりになっているとしたら、これこそ恐るべき事態です。

私も、いつの時点で何をしているべきだったのか分かる、とは言いません。
さらに後から「こうすべきだった」と言えるとしても、その時々では判断ミスもあるでしょう。ある程度はやむをえません。
しかし問題は、自分の無力をどれだけ自覚しているか、なのです。それがなければ、これからも悪手を打ち続けることでしょう。

まず少なくとも、今まで「ベストを尽くしてきた」と言えないことは、少なからず指摘されているところです。

 「もっと早く、すべての炉にホウ酸入り海水の注入を決断していたら、こんなことにはならなかった」
 そう話す専門家は少なくない。高価な炉を何とか維持ができる方法をと迷い、最初から抜本的な対策を講じなかった代償が、取り返しの付かない事態を招いた。
  (同紙、32面)


これは東電の対処のことを言っているのでしょうが、そこで東電が炉の維持を優先したとしても、万一に備えて措置を命ずるのが政治の――上に立つもののやることでしょう。「詳しく」て「危機感」を持っているのなら、なおさらです。
その間何をしていたのか、高みの見物かTV会見か。

少なくとも、後から東電に乗り込んだり文句を言ったりするのが「やるべきこと」ですか?

節電の件に関しても然りで、政府が打つべき手を打てていないと考える理由は十分にあります。
それにも関わらず、首相が「自分は詳しいから、対処できている」と考えているのならば、さらなる被害の拡大を覚悟する必要があるでしょう。

 ~~~

そして昨日の続きです。

 プロ野球セ・リーグは17日、東日本大震災の影響が懸念される中、公式戦を予定通り25日に開幕すると発表した。各本拠地球場に震災の影響が比較的小さいとして、日程の消化が可能と判断。日本プロ野球選手会の反対を押し切る形となった。楽天が拠点とする仙台市が甚大な被害を受けているパ・リーグは25日から、4月12日に延期すると発表した。
 (……)
 セは放射性物質の悲惨や球場の消費電力などに影響が出た場合は試合を中止にする方針。
 (……)
 懸念されるのは、関東地方で計画停電が行われている現状でのナイター開催だ。セ・リーグの新純生(あたらし・じゅんせい)理事長(ヤクルト球団常務)は「政府や監督官庁の指示には従う。野球に関する以外の部分では極力、節電に努力する」と理解を求める。それでも、日常生活に制限を受ける野球ファンからの共感を得られるかどうかは疑問だ。
  (『中日新聞』2011年3月18日、31面)


 「球場の消費電力などに影響が出た場合は

まるで「影響が出ない場合」があるかのような能天気さはまったく理解できません。
同時に「すべて屋外球場でデーゲームに予定変更する」と宣言するくらいで当然です。

まあこれにしたって、政府がそのような命令を出せば片付くことです。
開幕までの一週間で政令が出なければ、無策がまた一つ明らかになります。

よく革命が起こって臨時政府が樹立されるに至らないな、と思いますね。


――いえ、言い過ぎました。
今は暴動を起こしている場合でもないでしょう。
ですが、せめて、政府には自分の無力を自覚していただきたいと思います。
                           (芸術学3年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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