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政治篇・一段落(予定)

正式にはどういう扱いになっているのか分かりませんが、とりあえず4月から「4年」に署名を変えることにします。

(3月27日28日の記事の続きです)
さて、大阪出身の知り合いと話していると、橋下帝国の良い噂はおよそ効きません。まあ、どこかに得している人もいるから支持されているんでしょうが。
以前の全国学力調査では、大阪府は全国でも下位になって話題を呼びましたが、橋下知事は学力向上を唱えつつも、教員を含む公務員の給料カットを続けています。ただでさえ1日11時間労働など、教員の置かれた厳しい労働環境は問題になっているのに、さらに状況を厳しく劣悪にして尻を叩けば学力が向上すると本気で信じているんでしょうかね。
ここでも謳い文句は「競争」です。

「自己利益を追求する個人」を想定して、個人間の利益調整を市場における競争に委ねる――さらにこれをあらゆる分野で適用しようとするのが新自由主義の基本的な発想です(ついでに言うと、「自由」競争のためには積極的な政治介入を求めるという奇妙な発想でもあります)。
が、現実には「市場の失敗」はありふれていて、市場原理に委ねれば万事上手くいくわけではないことは、経済学からも指摘されているところです。

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(2004/10/16)
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そもそも、朝四暮三の原理により「各自による自己利益の追求」は「(未来の人間まで含めた)最大多数の最大幸福」とは決して一致しないと私は主張しました(功利主義と時間)。各自の「利己的ふるまい」を前提とした「市場競争モデル」は最初から無理があるのです。

しかしそもそも疑問視すべきは、「自己利益を追求する個人」という想定ではないでしょうか。

〔内田樹〕 この間、タクシーに乗ったときに聴いたラジオで、「日本の森を守ろう」という話で人を騙した詐欺師がいるという話を聴きました。電話をかけてきて、「今、外資が日本の森林や水資源を買い占めようとしています。ついては皆さんに日本の森林資源を守りために投資をしていただきたい」と持ちかけるという手口の詐欺なんです。もちろん多少設け話も絡んでいるんですけれど。でも、被害者たちはそれで設けたいということよりも「日本の貴重な天然資源を身銭を切って守らなければ」という愛国的動機からついお金を出してしまってるんじゃないかと思うんです。中には1000万円以上も騙し取られた人がいるそうです。僕この話を聞いて、「日本人って偉い!」って思ったんです(笑)。ある意味では、詐欺師の方が政治家たちより日本人のメンタリティーを深く理解している。実は、日本人の相当数は、1円でも安いものなら外国製品でいい、国際競争力のない国内産業なんかつぶれてもいいとは思っていない。むしろ国内の産業や資源を守るためなら、多少の身銭を切るくらいのことはしてもいい、と思っている。これはTPPが前提にしている国民像とは違っていると思うんです。
 (池田清彦・内田樹「これからの『不正義』の話をしよう」、『新潮45』2011年4月号、新潮社、p.51)


                           (芸術学4年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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