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まどか☆マギカ(今回は導入のみ)

大学からお知らせがメールで来るようになった(去年から)、それは良いことですが、どういうわけか同じお知らせが立て続けに何度も来ることがあります。担当者のミスでしょうか。

では、いつぞやに引き続き「魔法少女まどか☆マギカ」のお話をします。

↓以下内容に関するネタバレあり。しかし一方ですでに観ている方には、今回のところ目新しい話はほとんどありません。





一応未視聴の方にも配慮して、ストーリーを順を追って解説しつつ分析していきたい思いもありますが、それだけの余裕があるかは微妙なところです。
とりあえず第1話のあらましから。
オープニング前のプロローグで、近未来の光景なのか、強大な敵の前に壊滅的となった街、戦いに倒れる少女…呆然とおののきながら見ている少女に対し、いかにもマスコットらしき動物が「彼女一人では荷が重すぎたんだ」等と言い、「運命を変えたいと思うなら――」と迫ります。

「僕と契約して魔法少女になってよ」 (キー台詞)

これは夢オチで、契約を迫られていた少女――鹿目まどか――の平凡な日常が始まります。
…が、その日まどかのクラスにやって来た転校生・暁美ほむらは、あの夢で戦っていた少女でした。
休み時間に「保健室に連れて行って」とまどか(保健委員)を誘い出したほむらは、「今の暮らしを大切だと思うなら、決して違う自分になりたいなんて思ってはダメ」と謎の台詞をまどかに言い放ちます。

さて後半:下校時に友達の美樹さやかとレコード屋に寄っていたまどかは、どこからともなく聞こえて来る、助けを求める声を聞きます。上の階の使われていないフロアでまどかが出会ったのは、妙な服装のほむらと、それに終われている謎の小動物。
状況が分からないまま、小動物を保護してさやかと二人で逃げるまどかですが、途中で奇妙な空間が出現、謎の怪物に襲われます。
そこで「魔法少女」として颯爽登場、助けてくれたのは(初対面ですが)同じ中学の先輩・巴マミでした。

だいたいこんな感じです。ほむらも魔法少女だったわけですが、なぜか「魔法少女のマスコット」たるあの小動物・キュウべぇを追っていたのですね。

第二話は設定の説明がメインで、(まだ魔法少女になっていない)まどかとさやかは、マミ先輩に連れられて魔法少女の仕事を見学します。
この段階で示される設定を大まかに言うと、

1. キュウべぇと契約し、願いを一つだけ叶えてもらうことと引き換えに「魔法少女」になる。
2. 「魔法少女」は「魔女」(例の謎の怪物)と戦う使命を持つ。魔女は呪いを振り撒く存在であり、人間を操って自殺や犯罪をやらせる。
3. 魔女を倒すと「グリーフシード」(いわば魔女の卵)を落とす。魔法少女の力の源である宝石「ソウルジェム」は魔法を使うと「穢れ」が溜まって黒ずんでくるが、それをグリーフシードに吸い取らせれば「浄化」することができる。

この辺までは正当な魔法少女ものに見えますよね。

ただちょっと変わっているのは「最初に願いを叶える」という点ですが。
「願いを叶えるために戦う」という話は古代以来枚挙に暇がありません。有名な例だと人気漫画『ドラゴンボール』とか。しかし、逆なんですね。
魔法少女になれば魔法という力を得られるわけですし、また魔法少女なら「憧れ」「かっこいいヒーロー」――と考えるなら、願いを叶えた上にそうなれるならいいことずくめのように思えますよね。

でもそうではない。魔法少女になるのは「代償」扱いなのです。

まず、「命懸けで魔女と戦わなければいけない」ということが強調されます。
とは言え、安全なところから見ている視聴者にしてみると、「まあ危ない橋を渡りつつも勝てるんだろう」と思ってしまいます。文字通りの「命懸け」と「適度にスリルがある」の差がなかなか分からない
そこを示すべくか、第三話――


マミ先輩はイモムシのような魔女に頭を食いちぎられて死にます


しかも、勝ったかと思われた瞬間、敵が巨大なイモムシ形態に変形、ほとんど反撃する間もなく、実にあっけなく終わります。
「激闘の末に散った」ならば「戦いに殉じた」という美化されたイメージもあったかも知れませんが、それは希薄でした。

さらに、この直前にまどかは、どうしてもという願いを叶える代償としてではなく、マミ先輩に憧れて、「こんな自分でも力になれるなら」という理由で、魔法少女になる決意をしていたのですね。それに対し、魔法少女になれば「誰にも相談できない。いつも一人で泣いてばかりだよ」と言っていたマミ先輩も、まどかと魔法少女コンビを組めることに泣いて喜んでいた、その直後です。
カッコ良いイメージを粉砕すべく極めて周到に計算されていますね。

魔法少女の「明るく楽しい」イメージ、ヒーローの「カッコいい」イメージを覆す強烈な一打でした。

色んな意味で「魔法少女もの」の常識を覆す、「挑戦的」――アラゴンの表現を援用するなら、侮蔑的――と言うにふさわしい作品で、この後もさらなる設定が明らかになってきます。どこから触れていったものか迷うところですが……とりあえず、ある意味で最大の逆転は、

「主人公が魔法少女に変身しない」

ということでしょうね。第9話までずっと悩みつづけながら、結局魔法少女になっていません。変身シーンはオープニングのみ。
第10話はちょっと特殊なので、またの機会に。

次回こそもうちょっと突っ込んだ話をします(予定)。
                           (芸術学4年T.Y.)

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テーマ : 芸大・美大・その他美術系学校 - ジャンル : 学校・教育

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個体化の原理と恐ろしいマスコット

今回は再びアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の話です。 作品に興味のある方はニコニコチャンネルの配信画像を参照。 以下、前回に引き続きネタバレあり。
プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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