オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
ライトノベル新刊情報+続・初級スラング研究+その他
さらに25日には谷川流『涼宮ハルヒの驚愕』(4年振りの新刊)と平坂読『僕は友達が少ない』6巻が同時発売と、今を代表するライトノベルが一挙発売の月になりましたね。
…4年もすると時代も色々と変わっているかも知れませんが、まあ待望していたファンはたくさんいるはずで、売れるのは間違いないでしょう。
ちなみに、即効で売り切れるのか、予約でもしておかないと容易に手に入らないという現象も経験しました。
こういう時にはAMAZONも当てになるのかどうか。konozamaというネットスラングもあるくらいで。
→konozama
(もっとも、元々は「発売日に届かない」という程度の事態ではなく、限定版を注文したのに通常版が届くといった問題のことだったようですが。言葉の意味は日々変わっています)
ところで、何だかんだと言って、この三作品とも本ブログで取り上げていますね。個人的にはこれらが3トップというわけでは必ずしもなく、他にも好きな作品はたくさんありますし、また人気作品は残らず目を通しているというわけでもないのですが。
しかし、ひとたび何か語ろうと思うと、関連して他の作品も当たらなければと思ったりするわけですね。
こういう連鎖こそが勉強する原動力でもあります。実は。
正しいエコロジストの在り方は、「環境保全・保護」というコンセプトにそって自分の行動を決めることは。「クジラを殺すな!」なんてステッカーを貼ったスポーツカーに乗って、排気ガスをまき散らして暮らす、なんてのはエコロジストではない。そいつはただ単なる「クジラ好き」だ。
(……)
これと同じく、アニメしか見ないオタクはただのアニメファンだ。クラジのことしか考えない人がエコロジストではないのと同じである。アニメを考え、それを深く追求すればするほど、他のオラクジャンルに無関心でいられるはずがない。
(……)
たとえば、どんなに『魔法陣グルグル』が好きで毎週見ていても、その行為はファンのものでしかないことはすでに述べた。それが、全話CMカットして録画したり、挿入歌CDを買ったり、アニメ雑誌の『グルグル』の記述を丸暗記したり、関連商品を買いまくりはじめるとオタクへ一歩踏み出したといえる。
ただしこれも一歩間違えば単なる「コレクター」や「マニア」になってしまうことは、ここまで読んだ読者ならわかってもらえるだろう。そう、『グルグル』を、類似作品、たとえば『赤ずきんチャチャ』や『魔法騎士・レイアース』と比較し、スタッフクレジットをチェックしはじめると、オタクにリーチがかかったといえる。
やがて、彼の頭の中の知識が熟成して友達に、彼なりのグルグル論・アニメ論・演出論を語りはじめたとき、彼は自他ともに認めるオタクになったと認定される。その論がいかに幼稚で、他で聞いたようなものであろうと、今までの見て楽しむだけ、集めたり研究するだけの彼とは明らかに一線を画する行為だからだ。
(岡田斗司夫『オタク学入門』、新潮OH!文庫、2000、pp.42-51)
色々と世の中も変わり、岡田氏自身「オタクはすでに死んでいる」と言うようになろうと、このオタクの「定義」は今なお、それなりの有効性を持っているように思われます。
そしてこれは結構、学ぶ者の心理に近いところがあるように感じます。
(芸術学4年T.Y.)
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