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世の中を“お金で回る”ようにした人たち

夕方買い物に出かけると、傘の骨が折れるかと思う強風でした。
現在雨は小降りになっていますが、かなり強い風の音が聞こえます。どうなるのでしょうか。

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唐突ですが、私が中学生の頃愛読していた本の1つに司馬遼太郎『国盗り物語』がありました。斎藤道三と織田信長の二代を主人公とした天下取りの話ですね。
斎藤道三という人物は、その素性や前半生については多くが謎なので、『国盗り物語』の前半部の多くは創作です。司馬遼太郎にはもっと綿密な歴史資料の取材に基づいた名作がありますが、本作では話を創作しても面白いところを見せていますね。
元々道三のみを描く予定で、信長編まで続いたのは当初の予定ではなかったとのことですが、結果的に、道三の天下取りに向けたビジョンと先進的精神が信長へと受け継がれるという物語になっています。
その先進的精神とは、「経済重視」「合理主義」だと言うことができます。

道三は京の油屋だったことが知られていますが、司馬遼太郎の描く道三は一介の素浪人である時から一貫して「天下」を目指しつつ、油屋に取り入って財をなすところから始めます。
これは多分、当時としては普通の考えではなかったでしょう。戦国の世でモノを言うのはまず武力です。そして、たとえば後の信長の時代にも、豊かな国である尾張の兵は弱く、甲斐の武田の騎馬軍団は強かったのですから。それを(司馬遼太郎の)道三は、まず財から始めるのです。
そして信長は、経済力を活かして傭兵を雇ったり、鉄砲を大量購入したりすることで、戦国の覇者となったのでした。
関所の撤廃や楽市・楽座といった経済政策も、信長のそうした経済的思考と結び付いている、と言ってよいでしょう。

また信長は徹底した合理主義者で、宗教の権威を恐れず、比叡山延暦寺や一向宗の石山本願寺といった宗教勢力と対決したこともよく知られています。
この点についても、司馬遼太郎の描く道三は寺育ちで、それゆえ誰よりも宗教のインチキをよく知り、神仏を恐れない男として描かれています

新しい合理的・経済的思考が時代を切り開く物語、と言ってしまえば近代的に過ぎるかも知れませんが、しかしそれなりの正当性はあるでしょう。

(信長の方は、史実における業績についてかなりのことが分かっています。リンクさせていただいている黒田裕樹さんのブログ辺りを参照してください)

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自宅でやることは多くはないとは言え、明日以降の授業実習準備もしようと思いますので、今日はこの辺で。
                           (芸術学4年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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