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批評の熱い場はどこ?

昨日言っていた手続きの問題というのは、内諾までは出ていた博物館実習の正式依頼に関するものでした。
私の方に手落ちがあったのですが、どうやら問題無しのようです。
よく大学の事務を悪く言っていましたが、今回は感謝ですね。

 ~~~

先月(初回限定版のみ)発売の『涼宮ハルヒの驚愕』を読了しましたが…はて、意外に語りにくい。
『涼宮ハルヒの分裂』で明確に「次巻に続く」となっていたのが、一度は発売予定を延期して、そのまま4年ものブランクが空いてしまったということは、おそらくスランプ――言い換えると作者の中での迷走があったのでしょう。しかも、書き続けないと失速するというのはよくあることです。
そういうわけで、正直な話、今回の新巻が期待外れになっている可能性は決して低くない…と思われたのですが、『ハルヒ』はそういう事態には無縁でした。シリーズのファンにとっては期待を裏切らない出来になっていたと思いますし、『分裂』からの伏線も、終わってみれば他にどんな回収の仕様があったのかと思われるような結果です。
シリーズの基本路線も大きな揺るぎはなし、と言っていいでしょう。

それゆえに、「ここは語らねばならない」と感じさせるような「ひっかかり」もあまりないように感じます。

一番「語りたい」と感じる時というのは、すんなりと飲み込めないような「異様なもの」を感じた時ではないかと思います。『無門関』の喩えを借りれば「如呑了箇熱鐵丸相似、吐又吐不出(あたかも一箇の真っ赤に燃える鉄の塊りを呑んだようなもので、吐き出そうとしても吐き出せず)」という状態(『無門関』、岩波文庫、pp.22-26)。
(もっとも、禅の教えは言葉にならないものなので、『無門関』においてもその後「只許自知(ただ自分ひとりで噛みしめるよりほかはない)」とあります。しかし、禅僧の語録というのが大量にあることを考えれば、語り難いからこそ、語らないわけにはいかないのでしょう)

閑話休題。

まあ正直ついでで、私がこのシリーズにそれほど思い入れが強くないことを隠すつもりはありません。
熱心なファンならばまた違うのかも知れません(ただし、「引っかかりがない」というのは、決して否定的な評価というわけではありません)。気になる点が全くないかと言えば、そうではありませんし。
ただ、ネット上でもそれほど批評・感想は盛り上がっていないような感がありますね。とは言え、これは別の理由があるのかも知れません。twitterの登場もあって、批評の媒体そのものが移動したとか。

――と、そんなことを思いつつ、『ユリイカ』臨時増刊号の「涼宮ハルヒ」特集を手にしました。

ユリイカ2011年7月臨時増刊号 総特集=涼宮ハルヒのユリイカ! The girl greatly enlivens the criticism!ユリイカ2011年7月臨時増刊号 総特集=涼宮ハルヒのユリイカ! The girl greatly enlivens the criticism!
(2011/06/14)
大森 望、佐々木 敦 他

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まだ一部しか目を通していませんが、批評健在なり、と思いましたね。
が、時期的に、冒頭の佐々木敦×大森望対談以外は『驚愕』発売前に書かれた原稿でしょう(『驚愕』の発売に合わせて特集を組めば、当然そうなりますが)。

そんな状況を踏まえて…というわけでは別にありませんが、上のように言いつつも、『驚愕』について近々少しは語ってみようかと思っています。
                           (芸術学4年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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