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ゴーカイジャーはなぜ「とんでもないヤツら」なのか?

PCを起動し、ブラウザを立ち上げてからしばらく(5~10分くらいかかります)すると、アンチウイルスソフトの新バージョンをインストールしました、と通知が入ります(ここまで自動)。
インストールが完了するまで、この作業が同時に行われているせいか、ブラウザの反応が極端に遅いですね。
まあネット上にウイルスが飛び交うのはもうどうしようもないことで、これもネット利用の対価ということでしょうか。今使っているPCは古いものだけに、余計に難があるのではないか、という気もしますが…

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ネタがオタク趣味のヘビーローテーションになってしまうのもいかがなものかと思いつつ、書けるところからどんどん書いていきます。
最近『電撃戦隊チェンジマン』(1985年)のDVDを観ています。ここ数年で往年の名作のDVDが随分出ました。
見所はたくさんありますね。敵幹部にもカッコ良いキャラがたくさんいますし、ストーリーも上。敵怪人を含むキャラクターデザインも秀作が多く(デザイン:は出渕裕)、特撮技術は今とは比べものになりませんが、着ぐるみのギミックなんかは結構凝っているものもあります。

そんな中で、設定の話をしましょう。
チェンジマンの敵は「大星団ゴズマ」――「帝国」の語はありませんが、まぎれもなく宇宙規模の帝国です。異民族を征服し、呑み込んで勢力拡大していくもの、という意味での。
ゴズマの幹部は全員、ゴズマに侵略され、支配下に置かれた者達です。地球侵略の指揮を取るギルーク司令官も、かつてゴズマの支配者・星王バズー(宇宙空間に戦艦よりも遙かに巨大なホログラフが出現するという外見がまたインパクトあり)と戦い、敗れています。
星王バズーは「〔地球制服に〕失敗すればお前達の故郷の星も…」と脅し、それを聞くとゴズマの幹部達は怯えた顔を見せます。
毎回の怪人の当たる宇宙獣士達も宇宙の様々な星の出身者で、心ならずもゴズマのために戦わされている者、バズーによって獣士に変えられてしまった者もおり、その辺を描いた名作エピソードも序盤からしばしば。

これに対抗するチェンジマンが、地球が危機の時に発する力「アースフォース」を浴びた5人の若者達です。つまり、大帝国の侵略から地球という領土を守る、地球代表の戦士ということになります。
チェンジマンのホームグラウンドは地球であり、また「地球守備隊」という軍事組織の隊員で、組織にはチェンジマンの5人以外にもサポートを行う隊員達がいます(この辺を描いたエピソードを序盤に入れているのもポイント)。物語の展開とともに、ゴズマに侵略された宇宙人達が登場して協力することもあります(逆に、敵に利用されることもありますが)。そもそも電撃戦隊の司令官である伊吹長官(演:藤巻潤)も、実はヒース星人ユイ・イブキという宇宙人でした。
地球を抵抗拠点として、ゴズマという“宇宙の帝国”の侵略に立ち向かう話――このコンセプトは明瞭です。

さて、これを現在放送中の『海賊戦隊ゴーカイジャー』と比較してみると面白い。
ゴーカイジャーの敵も「宇宙帝国ザンギャック」です。が、ゴーカイジャーはと言うと、「ホーム」を持ちません。おそらくはそれぞれ異なる星の出身者で、ザンギャックに「海賊」として追われるお尋ね者達であり、そして本当に5人とゴーカイガレオン一隻で、全宇宙を支配しようというザンギャックに叛旗を翻しているのです。
オープニングのナレーション「かつて地球を守ってきたスーパー戦隊――その力を受け継いだのは、とんでもないヤツらだった」の意味がお分かりでしょう(実はナレーションはもう1パターンありますが)。

しかし、以前にも指摘したことですが、たった5人で闘うゴーカイジャーが強いということは、それだけザンギャックが弱いことと表裏一体でもあります。
大星団ゴズマの場合と比較してみれば一目瞭然ですが、司令官のワルズ・ギルは「皇帝の息子」という理由でそのポストに就いているだけの無能者で、母星の命運を背負って戦ったゴズマの幹部達とは背負うものの重みからして違います(星王バズーの正体は最後で明らかになりますが、「バズーの一族」といったものはおらず、ゴズマの構成員は一人残らず被征服民でした)。
ゴズマのように構成員が「被征服民」であることは、内乱が起こる可能性につながるように思えますが、敵も皆ヒーローと同じように「母星を守って戦った戦士」であることはゴズマ構成員達の強さを保証しており、さらに彼らを屈服させている星王バズーの恐ろしさを際立たせてもいました。

しかしもちろん、これは今後のことも含めてザンギャックが劣っているという話ではありません。
ワルズ・ギルの率いる前線部隊は張り子のようなものでも、帝国を宇宙規模に拡大させた力はそのバックに存在するはずです。まだ影も形も見せていないザンギャック皇帝には、期待するに足りるものがあります。今までにゴーカイジャーが一番苦戦した相手・デラツエイガーは「ザンギャック皇帝直属の親衛隊長」だったというのも、その期待を膨らませるものです。
また、そのエピソードでは同時に、ワルズ・ギルの腹心の部下・特務士官バリゾーグがジョー・ギブケン(ゴーカイブルー、演:山田裕貴)の先輩シド・バミックの改造された姿だという設定も明らかになり、チェンジマンの宇宙獣士のような敵側の悲哀も描かれる予定なのを示してしています。

そして、最近ついに「6人目の戦士」ゴーカイシルバー・伊狩鎧(いかり がい)(演:池田純矢)が登場しました。
全員が宇宙人のゴーカイジャーに対して一人だけ地球人、というのは「6人目」の差別化としてもいい設定でしょう。しかも、思い切りスーパー戦隊マニアでヒーローに憧れてました、という人物。「海賊」達とは一味(どこおrかもっと)違いますが。
それだけに最初は「何だお前」という扱いを受けていた鎧ですが、その心意気を見せることで「見習い」として仲間と認められました。
その時、「俺達の仲間になるってことは、宇宙を敵に回すってことだ」というキャプテン・マーベラスに対し、鎧は答えました。

「違う、宇宙を敵に回すんじゃない。ザンギャックをぶっ潰して、宇宙を救うんだ」

なるほど、ゴーカイジャーは「お宝を探しに来た」と言いつつ、人々がザンギャックに虐げられていれば見過ごさないヤツらでしたが、目の前に現れる部隊のみならずザンギャックの全てを倒して、宇宙を救うという意識までは、多分なかったでしょう。
ゴーカイジャーを地球に繋ぎ止め(その名前からして、ゴーカイジャーを繋ぎ止める「碇」を思わせることは、誰もが考えるところでしょう)、「地球をホームとして、地球を守り、侵略する帝国を倒すヒーロー」へと脱皮させるのが6人目の新戦士の役割……

この路線をきっちり描けるなら、今後も期待するところ大です。

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                           (芸術学4年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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