FC2ブログ

学びの場づくり

同級生の勉強を見ているという話をしましたが、早くも多少の成果を感じることもありました。
「文法を考えて文章を組み立てたり、辞書をきちっと調べる習慣もなく『it=それ』という感じでひたすら置き換えていた」と本人も認める子が、それなりに注意の必要な文法・語法をまがりなりにも自分で突き止めるのを目の前で見た時には驚きましたよ。本人もある程度の上達は感じているようで、「私、少しはできてますね、今だけは」なんて言ってましたが、まあ私も一時期は「俺、今日だけは何か冴えてるな」と思ったもんです。そう思った時には既に、それを常態にする道はそう遠くないものと思います。

さて、本学の教養の語学はと言うと総じて「ぬるい」でしょう。私は詳しく知らないんですが、英語でも中学校レベルの会話練習をやってたりするそうですし。「英語上級」でも決して芸術学の入試より難しい感はありませんでした。と言うか、芸術学(本学の、です)の入試の過去問もテキストに使いましたし。
第二外国語も、中々上手くやってる先生もいますけど、普通の大学なら1年で終わる基礎文法に2年かけてたりで、かなりのんびりしたプランが基本になってます。
芸術学では専門課程でも語学をやってます。要するに、(人文系の学科ではよくあるように)「研究」と題したゼミが、実質は文献購読による語学の演習主体という形です。これはと言うと、はっきり言って難しいですね。そもそも、少なくとも英語に関して言うと、美術系の文章があまり易しかった試しはない気がします。
この辺、本学のカリキュラムがよく出来ているとはとても言い難いところで、しばしば自分の力と読むべきテキストとのギャップに直面する訳ですが、しかし(佐藤学先生も言っているように)そういうギャップはある程度必要だろうとも思います。
ここでもう1つ、本学の場合はこの「研究」授業は1分野につき1つが普通で、(場合によっては)一年生から院生まで合同です(第二外国語の場合は、せめて初級文法は履修してるのが原則ですし、必修との時間割の都合もあるんで、一年時から受けられることは多くはありませんが、ルール上の履修年次制限はありません)。これは大変良いことだと思っています。もちろん、毎年内容は違う訳ですし、参加者の進度が違えばそれに応じて学ぶことがある、そのためには「分かる」ことだけやっていても仕方が無い、難しい課題にぶつかってこそ、と思うからです。

とは言うものの、基礎文法からして怪しい人が難解な文章に当たった場合、授業で説明されても「どうしてそうなるか分からない」というのが実情のようです。授業というものは一番できない人に合わせてやる訳に行きませんから、ずっと基礎文法の解説に割くことはできませんしね。
ここで、日本の教育はそういう「一番できない人に合わせて」きた「悪平等」教育だ、という論議も出て来る訳ですが、私はその点には同意しません。そんな「悪平等」教育など実在しないことは、「授業が分からないで過ごした」経験のある人なら分かっているはずです。
では「“分からない子”を置いて行くのか」という問いには、もちろん「違う」と答えます。この問題に関しては、元々限りのある教室のシステムに全ての解決を求めるから、どっちに転んでも無理が生じるんですね。授業の難度と各自の実力のギャップは、そのつど教室の外で埋めるしかありません。つまり補習です。
という訳で、私が多少の世話役を引き受けている訳です。ただ、どうも私はサービスが良いと言うかお節介と言うか、頼まれもせずにしゃしゃり出てくるようなところがありまして、そこは我ながらちょっと疑問を感じるんですが。

互恵的な学びの場が引き継がれて行くといいんですけどね。いや本当に。
                           (芸術学2年 T.Y.)

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へ
にほんブログ村 人気ブログランキングへ

テーマ : 芸大・美大・その他美術系学校 - ジャンル : 学校・教育

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
カレンダー
02 | 2021/03 | 04
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
参考文献
私が展開している思考の拠り所など(一部)。
スポンサー広告