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ヒーローは変わらず

今朝の『海賊戦隊ゴーカイジャー』はジェットマン編でしたね。

『鳥人戦隊ジェットマン』(1991年放送)と言えば、私が小学生当時リアルタイムで観ていて、キャラの立ち方とドラマの濃さから、とりわけ強く印象に残っている作品の一つです。
ゴーカイシルバー・伊狩鎧も「変わった人達だった」と言いましたが、その説明によると「その後、野菜の無農薬栽培で有名になったり、メンバー同士で結婚した人もいるとか」……これだけ聞くと、割とありそうに聞こえますよね。
まあ実際、メンバー配置は『科学忍者隊ガッチャマン』をモデルにしていましたし、大まかな特徴はオーソドックスと言えばそうなのですね。
でも『ジェットマン』の特徴と言えばやはり、昼メロよろしくメンバー間の恋愛ドラマが大きな比重を占めていたことです。敵幹部との悲劇的なエピソードも含めて、それが(一発ネタでなく)一年間の大きなドラマの主軸をなしていましたからね。
ブラックコンドル・結城凱のキャラ造形も、「ブラックはニヒルな奴」と言えばありがちに聞こえますが、「飲む・打つ・買う」の三拍子揃った男キャラで、しかも女を巡ってレッドと殴り合ったりするのは、子供向け番組のヒーローとしては確かに異例でした。



(ここから、まあ多少のネタバレをしてしまいますけれど)



しかしその凱ですが…最終回、平和を取り戻した後で、チンピラに刺されてるんですよね。
が、予告の時点で確かに凱が登場している。そして今回のアバンタイトル……もう間違いなく若松俊秀の演ずる本物です(20年経っても一目で分かる辺り、印象が強かったと言うべきか、役者が変わらないと言うべきでしょうか)。
脚本も確かに『ジェットマン』のメインライターだった井上敏樹です。

変わらぬ様子でゴーカイジャーの前にも登場する凱ですが、話の展開につれ、やはり死んでいたことが発覚。
『ジェットマン』本編終了後、20年を経ての正式な死亡確認です。
その墓にはかつての仲間たちが毎日訪れてお供えをしている様子(カップヌードル「陽気なアコちゃん」とか、観ていた人には分かる小ネタもばっちり。個々のエピソードではコメディもかなり多い『ジェットマン』でした)。

そう言えば、車にはねられた伊狩鎧に、あの世との境のような場所で変身アイテム・ゴーカイセルラーを渡したのもドラゴンレンジャー(『恐竜戦隊ジュウレンジャー』)、タイムファイヤー(『未来戦隊タイムレンジャー』)、アバレキラー(『爆竜戦隊アバレンジャー』)の三人でした。この三人とも途中で登場した「6人目の戦士」(アバレンジャーは初期メンバーが4人だったので5人目)であり、そして作中で死んでいた人物でした。
ヒーローというのは途中で死んだり、物語が終わると廃業したり、この世界を去ったりすることもあります。
そうした連中も含めて、「レジェンド大戦」では全てのスーパー戦隊が結集して戦い、そしてその力は宇宙に散らばった……というのが『ゴーカイジャー』の設定なわけですが、「なぜそんなことが可能に?」と問うならば、「あの時に限って、何者かに呼び戻されたから」という答えになるようです。
(映画『199ヒーロー大決戦』ではやはり故人である理央とメレが登場していましたが、パンフレットにはそんな趣旨の説明がありました)
今回の凱は「神様」に賭けで勝って、一時的に地上に戻して貰った模様。

強引だろうが細かい設定はなかろうが、死んだなら死んだで過去作の展開そのものは踏まえて整合させているのが良いところです。

『ジェットマン』の話に戻りますと、地球防衛軍スカイフォースの隊員として本来ジェットマンになるはずだったのはレッドホーク・天堂竜のみ、スカイフォース基地が襲撃を受けた時に他のメンバーが浴びるはずだったバードニックウェーブ(これを浴びることにジェットマンになれるようになる)は地上にバラ撒かれて、一般人が浴びることになってしまった――という設定です。
そうして「図らずもヒーローになってしまった一般人」の内でも、凱はとりわけ問題児で、あくまで戦士たることを第一にする竜と事あるごとに対立していました。もちろん、そういう人物が次第に立派な戦士となっていくのが見所で、その意味で『ジェットマン』はむしろ王道に忠実だったのですが。
そして今回、凱は「普通に暮らしている他のジェットマンの仲間を巻き込まないように」単独でゴーカイジャーと接触して「ジェットマンを探すのはやめろ」と通告、さらには一人戦っていた、という展開に……感慨深くも熱いですね、これは。

「キレイな空だ、目に沁みやがる」という『ジェットマン』最終回の台詞や、何度か披露していたサックスを演奏するシーンも再びと、ファンサービスてんこ盛りでした。

ついでに、これからのヒーローたることを託されたゴーカイレッド・マーベラスは「いいのか、俺たちみたいな海賊に」と言うわけですが、自身も無頼漢である凱は無論、そんなことは問題にしません。

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                           (芸術学4年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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