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ある種ヒーロー繋がり(前回から)

以前紹介したライトノベル『僕はやっぱり気づかない』に、こんな一節がありました。
なぜ正義の味方は正体を隠すのか、という話で…

「お母さんは『社会の混乱を防ぐため』って言ってたけど、本当なのかな?」
「そうね。それも、一理あるわ」お姉さんは、知った風に笑う。「でも、一番の理由はそれじゃないのよ」
「じゃあ、なに?」
 お姉さんは優しく、しかし力強く笑った。
「正義の味方にも、家族とか友達とか――好きな人とか、大切な人間がいっぱいいるのよ。その人達に余計な心配をかけたくないから、みんなに正体を隠しているの」
「でも、それじゃ正義の味方は、ピンチになったらいなくなる変な奴だって言われるだけじゃん。それでもいいの?」
「いいのよ。それでいいの。報われなくても、いいの」
 妙に重みのある言葉だった。ずん、と胸に突き刺さった気がした。
「正義の味方は、感謝とかお礼とか、そういうものが欲しいんじゃない。ただ、日常を守りたいだけ。事件が起きたら皆生鶴んじゃなくて、事件が起きたことをみんなに知られる前に、片付けるのがベスト」
 だんだんと話が難しくなってきた。僕は集中して耳を傾ける。
「みんなから応援されたり励まされたりしたら、すごく嬉しいんだけど、それは理想じゃない。理想は、戦ってることを気づかれないこと。恩とか、感じて欲しくないのよね……。みんなには、なにも知らずに笑っていて欲しい」
 (望公太『僕はやっぱり気づかない』、ホビージャパン、2011、pp.196-197)


実際のヒーロー物では、ヒーローの正体はともかく、隠れようのない大規模な戦いをやっていることが多く、なかなかこうはならないわけですが…
私はこのやり取りを読んでいて、ある種究極のギャグを思い出しました。

G組 地味ヒーロー
 (真右衛門『G組のG』2巻、講談社アフタヌーンKC、2001、p.60)

これはもう正体を隠すというレベルではありません。
地味ヒーローが本当に「悪の総帥の誕生を未然に防いだ」のかどうか、誰にも証明しようがないのです。
しかし、「平和を守る」という意味で理想的なのは、確かです。

『魔法少女まどか☆マギカ』のまどかも、究極の「隠れたるヒーロー」だったのだな(何しろ、存在したことすら証明できないのですから)……と思いますが、まあその話はもういいでしょう。


『G組のG』もかなりラジカルな4コマ漫画でした。

G組のG 1 (ワイドKCアフタヌーン)G組のG 1 (ワイドKCアフタヌーン)
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                           (芸術学4年T.Y.)

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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