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覚え書程度に

実は、今頃は学会シーズンです。
我が家でも両親が学会に出かけて留守です。
私も明後日(24日)には研究会に出かける予定です。日帰りの予定ではありますが、その日は遅くなると更新はないかも知れません。準備もあり、予約投稿している余裕もありませんので(ネタが余っていれば話は別ですが)。

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食品店の肉売り場では牛肉の産地が特に強調して表示され「福島産ではありません」とわざわざ書かれていたこともありました。やりすぎもどうかと思うものの、そうしないと売れないのかも知れませんね。

そんな農業の受難の最中、今月の『新潮45』で、農学博士の神門善久氏が「『電田プロジェクト』の大愚」と題した記事を書いていました。

新潮45 2011年 10月号 [雑誌]新潮45 2011年 10月号 [雑誌]
(2011/09/17)
不明

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(……)電気は、それ自体を工業的に大量に貯蓄することは技術的に困難が多く、経済的に見合わない。このため、電力の生産(発電)・輸送(送電)・配給(配電)・消費(電力需要)という連携が同時におこなわれなければならない。
 (……)
 もちろん、天賦の恵みである太陽光エネルギーを使わないのももったいない。家屋の屋根などを利用した「小ぶり」の発電をして、その場で家庭の電力消費の一部に充当すれば、送配電の費用をかけずロスも防げる。「小ぶり」の電力であれば、逐電の技術もある程度発達している。目下のところは、そういう「電力の地産地消」が太陽光発電の合理的なあり方である。
 このように考えると、エネルギー政策として電田プロジェクトには違和感がある。耕作放棄地に電力需要があるとは思えず、「電力の地産地消」はない。耕作放棄地がまとまって存在するわけでもないから、メガソーラーにもなりえない。つまり、電田プロジェクトは、ごく小口の不安定な発電を、送拝殿の費用(ならびに停電をひきおこしかねない危険性)をかけて、都市部に供給するというものであり、合理性に欠ける。
 (『新潮45』、pp.142-143)


 では国土利用という観点からはどう評価されるだろうか? 「耕作放棄されて使われていないのはもったいないから、太陽光発電パネルを並べたほうがまし」という意見もあるかもしれない。しかし、そもそもなぜ耕作放棄されているかを明らかにしなければ、耕作放棄の免罪符を与えるだけで、ますます耕作放棄をひきおこしかねない。
 (……)都市在住の農地所有者はそのまま耕作放棄を続けるもよし、太陽光発電パネルを並べる(その設置にも補助金が出る可能性がある)売電するもよし、実に恵まれた話である。都市在住の農地所有者をどうしてそこまで優遇する必要があるのだろうか。
 (同書、pp.144-145)


 さらに、耕作放棄地に太陽光発電パネルを設置することは自然環境と農業を破壊する可能性がある。太陽光発電パネルの下側は、まったく太陽光が当たらない。パネルの下を土のままにするにせよ、コンクリートで固めるにせよ、かなり人為的で異様な状態になる。土壌の生物学的・物理学的・化学的特性が劇的に変化し、生態系が破壊されることは避けられない。太陽光発電事業がうまく行かなかった場合、農地に復元しようにも、そのときには土壌が耕作に適さないほど変質してしまっている可能性が高い。
 (同書、p.145)


「うまく行かなかった場合」のことを聞かれると責任者は、

「大丈夫です。絶対安全です」

と答えることは今や周知の事実となっていることと思います。

耕作放棄、農地転用など日本の農業の実態については神門氏のこちらの著作を参照。

日本の食と農 危機の本質 (シリーズ 日本の〈現代〉)日本の食と農 危機の本質 (シリーズ 日本の〈現代〉)
(2006/06/24)
神門 善久

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そもそもというのは、単位面積辺りの生産性が一番高い作物です。
大抵の作物は、同じ土地で何年も続けて作ると土地が痩せてきて、土中の細菌バランスも崩れるため、輪作が必要になるのですが、米は輪作なしで毎年作れます。その代わり水が多く温暖な土地でしかできませんが、米が作れるというのは農業的には非常に強いところです。
日本の食料自給率が低いのどうの言われますが(その根拠となる数値の取り方からして議論の的ではありますが)、日本の農業の可能性というのは実は非常に大きく、何がその可能性を潰しているのか、考えてみた方が良い…ということです。

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ベルセルク 36 (ジェッツコミックス)ベルセルク 36 (ジェッツコミックス)
(2011/09/23)
三浦建太郎

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AMAZONでも明日23日発売予定なのに、近所の書店では今日手に入りました。『ベルセルク』最新巻。
主人公のガッツ達が戦う相手としては最大級の敵(文字通りの意味で)登場…ですが、インパクトは今一つのような。
                           (芸術学4年T.Y.)

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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