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「この世界」も一皮剥けば怪しいものではないか…

そう言えば言い忘れていましたが、今週月曜日から後期授業開始です。
まあ受けなければいけない授業はほとんど残っていませんが(通年講義も含め)ないわけではありません。昨日、今日と大学に行ってきました。

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9月の研究会で、1年振りにお会いしたさる先生に言われたのが「Yさん、痩せました?」

体重はほとんど量っていませんが(身体測定も年に一度となるとすぐに結果を忘れます)、ここ数年減った覚えはないだけに(以前が少なすぎたのかも知れませんが)ちょっと意外でした。
とは言え、朝食がパン、昼食がコンビニのおにぎりなんてことが珍しくない生活をしていれば、痩せもするかも知れません。むしろ、よく深刻な障害が出ないものだと思います(くれぐれも真似しないでください)。

最近、腕時計を失くしたので新しく買いましたが、バンドの長さを調整するに当たって、かなり大幅に切り詰める必要があるのを見ても…

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一昨日の話の後半は多重世界――複数の世界ではなく、一つの中の仲に多層性を見出す(たとえば、日常の裏側では世界の存亡を賭けた戦いが起こっているというような)という構造のストーリーのことでした。
さて、何度か語ってきたビジネスライトノベル『羽月莉音の帝国』も、魔法や超能力やSF的技術が登場するわけではない(当然、裏で超常の戦いがあったりもしない)現代モノながら、やはりそうした面があるように思われます。

「気軽に国が創れるなら、俺たちはもっと儲かっているよ」
「バカな白昼夢だと思います。ですが、この世界自体がバカげたものじゃないでしょうか? 速水の社長に就任して、つくづく思い知りました」
 たかだか高校生が社長に就任しただけなのに、投資家たちの妄想のせいで、会社の価値が何倍にも膨らんでしまう。世界中が騒ぎ立てる。マスコミが煽り、大衆が踊る姿をさんざん目の当たりにしてきた。
 裏に莉音よいう仕掛け人がいたのに、そんなことにだれも見向きもしない。劇の舞台で、ただ演技していただけだ。しかし社会は、世の中ってヤツは、気づきもしなかった。
 こんなアホらしい世の中で、無闇に世間を信じていた俺がただの子供だったということだ。
 (至道流星『羽月莉音の帝国』2巻、小学館、2010、p.166)


命はお金では買えませんが、生きるためにもお金が必要なのも事実。
しかしそのお金が、デタラメな動き方をするあやふやなものだとしたら?
「自分は株取引などには手を出さず、堅実に働く」と言っていても、こういうマネー経済が景気に大きく影響してくるとすれば、それと無縁ではいられません。
そういう「この世の中の裏にある“とんでもない面”を暴く」感覚は、本作の魅力の一つです。

さらに、「超常現象で世界が滅びる」という話なら遠い世界のこととして読んでいられますが、「週末まで○○円の借金を返せないと破綻」となると、強烈に切迫した危機として感じられます。
現代物の強みでしょうね。

もちろん、日常物も日常の裏で超常現象が起こる作品も、そして本作のようなビジネス物も、皆同じことを描いているとか、ましてやそれが時代の反映だ、などとは言いません。
それはいかにも乱暴で、個々の作品の特色を無視するものですし、全てを「時代」のせいにするのは怠慢でもあります。
そのようなサブカルチャー論の皮を被った現代論はもう結構、というのが偽らざるところです(その辺の話はいずれまたの機会に)。

ただ、「この世界」の層の厚さを掘り下げる、というやり方の豊かさが注目されるようになってきたのではないか、という思いはあります。
現代ノジネス物でそれをやってのけたという点から『羽月莉音の帝国』を評価するのも、不当ではなかろう、とも。
                           (芸術学4年T.Y.)

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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