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「信じていた」のか

(まず昨日の続き)
読書速度の話をしましたが、本格的に学問で生きていこうと思ったら、やはり1日100ページとかの単位で専門書を読める必要があるのかも知れません。

 ~~~

 一方、日本民間放送連盟が、喜・怒・哀・楽のそれぞれのイメージに当てはまる「二〇〇九年の顔」についてアンケート調査をしたら、「怒」部門では〔覚醒剤所持容疑で逮捕された〕酒井法子がぶっ千切りでトップとなったそうだ。
 酒井法子については、「親として許されない」とか、彼女に「騙された」とかいうコメントが多かった、と報道された。
 ここであたしゃ、はたと考え込んでしまった。
 これは、いったいどういうことなんだ。
 そういうコメントを発した人たちは、親じゃなけりゃ、覚せい剤を使用していい、とでも考えているものなのか。わたしのこの素朴な疑問を、揚げ足取りと批判する人たちもきっと多かろう。そう思う人はそう思ってくださっても構いません、はい。
 しかしこの問いの立て方こそ、日本社会を正しく理解するひとつの方法なのである。
 酒井法子に騙された?
 そういうコメントを発した人は、いったい酒井法子のなにをどう信じていたのか? ぜひ具体的かつ詳細にご説明願いたい。夜露死苦。
 顕著な例外もあるのだが、そしてこれはわたしの偏見かもしれないが、体験的な理解では、全体としての日本の芸能界なんて「元あるいは現役の不良少年少女たちの溜まり場」です。おそらく、多くの人も、口には出さずとも、心の奥底ではそう思っているのじゃないかしら。
 ところが、自分が思っていることには蓋をして不可視の領域に追いやり、「キレイゴト」の部分だけに焦点を当てたコメントを出す。
 (森巣博『日本を滅ぼす〈世間の常識〉』、講談社現代新書、2011、pp.100-101)


ここで「困った時の神頼み」ならぬ「困った時は神のせい」というフレーズを思い浮かべてしまったのは、私の気のせいでしょうか。
普段は神など信じていないのに、何かあった時だけ「もし神がいるなら、なぜこんなにも悪がまかり通り世の中は不条理なのか」とか何とか言い出す類のことです。
そんな時だけ引っ張り出される神なら、そりゃ要らないでしょうとも。

後知恵とはよく言いますが、後から「信じていた」と言い出す後信仰では話になりません。

芸能界と暴力団の結び付きについては、関係者のお話に任せます。


日本を滅ぼす〈世間の良識〉 (講談社現代新書)日本を滅ぼす〈世間の良識〉 (講談社現代新書)
(2011/10/18)
森巣 博

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著者はオーストラリア在住の博奕打ち。自ら「チューサン階級(中学三年生程度の知識の持ち主の意味)」(p.4)を名乗るとおり、そして引用文を見ても分かる通り、スラング混じりの砕けた文体ですが、ネタは面白いものが満載です。最終章は3.11以降の原発絡みですね。
                           (芸術学4年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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