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ヒーローと悪の「近さ」と、「悪からの自由」を勝ち取ること

もう今年は自分が何か出すわけでもないのであまり宣伝していませんでしたが、気が付けば来週は本学の芸術祭です。
念のため――

11月3日(木)~5日(土)開催です

色々忙しくなってはいますが、まあ行くつもりです。去年と同様、音科の店舗の演奏を聴きながら控え室で作業をするという手もありますし。

紀要の編集委員が、去年までは他でもない、私の翻訳の共訳者である森田義之先生でしたが、今年から交代。杓子定規な先生で、締切は厳しくなるのではないかという話。ですからこちらは本当に時間はありません。

論文も、書き落としのないよう必要そうなことは一通り書き出していって、さて、繰り返しや内容的に近い部分をまとめたり、必要ない部分を削ったり、論述の手順を考えて並べ替えたりするのが一苦労なんですよね。

 ~~~

話は変わって…
仮面ライダー・本郷猛はショッカーに改造された改造人間でした。敵も、ショッカーの改造人間です。
『クウガ』以降居間に至る仮面ライダー達は改造されてはいません(白倉伸一郎氏によれば、今では医者に対する職業的偏見を生じさせるから「改造人間」という設定はできないのだとかいう話ですが…)。
ただ、クウガの変身ベルトは敵であるグロンギ達のベルトと同じ性能のものでした。「未確認生命体」と呼ばれたグロンギ達ですが、生物学的には人間であることが中盤から明らかになります。
その後も、「仮面ライダーの力は敵と同質である」という設定は、光と闇で敵と対をなす存在であったり(『アギト』)、契約や封印した敵の力を使ったり(『龍騎』『剣』)と色々なヴァリエーションがありましたし、中には設定のはっきりしないものもありましたが、多かれ少なかれ引き継がれていると思われます(※)。

※ そのための絶対条件は「敵が皆同じシリーズに属している」ことです。まあ大抵の場合、怪人とはそういうものですが。
異なる設定の敵とライダーがいる『ディケイド』の場合、もちろんその条件が満たされ得ないわけですが、だからディケイドライバーの力の源とか、そもそもなぜ門矢士がディケイドになれるのかといったことにはほとんど「設定がない」のです。彼はあくまで『仮面ライダーディケイド』というメタ物語を可能にする条件、主人公としての形式のみの存在です。

先日、この話をすると、「『まどか☆マギカ』の魔法少女と魔女と同じようなものですね」との応答を貰いました。
その通りで、多分、魔法少女達を仮面ライダーの遠い子孫と見なすのも、全くの間違いとは言えないでしょう。
しかも、現代的な意味で、です。
『クウガ』の話をもう少し。

 そしてクウガもまた、グロンギと戦い続けているうちに、戦いだけを好む戦士に変貌してしまうことがわかってきます。かつての仮面ライダーは、悪の組織によって改造され、その痛みを胸に戦っていました。ところが、クウガは自らの内に悪を潜ませていたのです。
 こうした設定は目新しいものではありませんが、シンプルな図式で展開してきた仮面ライダーのシリーズにもそうした兆候が現れた点は、注目に値します。
 (ひこ・田中『ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか?』、光文社新書、2011、p.117)


昨日『剣』に関しては同書の記述をかなり批判的に取り上げましたが、こちらは大きな問題はないでしょう。
かつての仮面ライダーは最初に改造された時に脳改造を免れたことで、その後はずっと悪から自由になったわけですが、今はむしろ、戦う中でヒーローと悪の近さが明らかになり、「悪からの自由」は最初に全てではなく、そのつど勝ち取らねばならない――「現代的」と言ったのはそのような意味です。
そしてこれこそ、(ただヒーローを否定するのではなく)ヒーローと悪の問題に真剣に向き合ったものだけが見出せる問題圏です(もちろん、それに対する答えは様々にあり得ますが)。

というわけで、現在放映中の『仮面ライダーフォーゼ』においても、フォーゼの使う「アストロスイッチ」と敵の「ゾディアーツスイッチ」の間にいかなる関係があるのかは気になるところです。
アストロスイッチのモチーフはメカで、ゾディアーツスイッチは星座と接点がほとんどありませんし、外見も違いますし、今やライダーと敵の力の同質性というのも常に忠実に踏襲されているとは限らないので、何とも言えない面はありますが、同じ「スイッチ」という形を取っていることだけを考えても、無関係とも思えません。

なお、『まどか☆マギカ』と『龍騎』の関係などに関しては、以前もそれなりに論じましたが、もしかしたらまた書くかも知れません。
                           (芸術学4年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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