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ツッコミキャラの資質etc.

若干の頭痛の原因は、肩凝りと目の疲れか、それともまた風邪か。
よくあることに過ぎて分からなくなってきますが、気を付けねばいけませんね。

 ~~~

さて、以前紹介したライトノベル『魔よりも黒くワガママに魔法少女は夢をみる』の2巻では、敵としてメタルヒーローが登場しました。

魔よりも黒くワガママに魔法少女は夢をみる2 (ファミ通文庫)魔よりも黒くワガママに魔法少女は夢をみる2 (ファミ通文庫)
(2011/09/30)
根木健太

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…主人公が魔族側ではあるものの、魔法少女の話だったはずですが。
何でそんなものが存在するのかというと、実は米軍のPRを兼ねた次世代兵器だという設定。
ただ、あくまでPRとして開発しているだけで、普通は実用化には至らない、ということですが…

 彼女は、留学先のアメリカで工科系大学の博士課程に在籍してたらしい。その間に所属していた研究室にも、軍からの定型や開発の依頼が舞い込んでいた。
 兵器開発。そんなのを大学の研究室に依頼するのがあたしの感覚では信じられないけど……彼女の話によると、よくあることらしい。
「乗り物から変形合体する勇者ロボも……新幹線の腕までは完成してたのに……」
 よくあることらしい。
「右が0系で……左がN700系……」
「アンバランスすぎない!?」
 右腕もう引退しちゃってるじゃない。
 そもそも米軍の依頼で、何で日本の新幹線をベースにしちゃったのよ。
 ……あれ、でもどっかで聞いた話によれば、新幹線の線路の幅って海外の鉄道と同じなんだっけ? そう考えるとまったくナシってわけでも……いやそういう問題じゃない。
 話が脱線したので戻そう。
 ……べ、別にシャレじゃないんだからね?
 (根木健太『魔よりも黒くワガママに魔法少女は夢をみる』2巻、エンターブレイン、2011、pp.202-203)


「よくあることらしい」を繰り返した後「さすがにそれはないだろ」という感じでツッコんでしまったり、地の文がはからずもシャレみたいなことを言ってしまうというこのテンポも合わせてお楽しみください。
いや問題は、鉄道ネタにまですかさず対応できる瑠奈の射程の広さです。
0系新幹線の説明(2008年に引退したことを含む)は、鉄道ライトノベル『僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない』でも作中で説明されていたことだったので改めて思うのですが、鉄道の「○○系」と言われても分からない人の方が多いでしょう、多分。
オタクの兄がいるのでオタク用語は分かるようですが、鉄道の話は他にありませんでしたし。

あるいは、このメタルヒーローの武器が…

 ドリルだった。
 右腕の手首、甲側の部分から、ドリルが飛び出していた。
 ただし、誤解を招かないようにこれは明言しておかないといけない――それはツイストドリルと呼ばれる、鉄の棒に螺旋状の溝が切ってあるタイプのドリルだった。
 自分で出しておきながら惚れ惚れしたようにその刃(ビット)を眺める牧那さん。
『ドリルは……男のロマン……』
 ……男性のドリル崇拝については明るくないけど、あくまでその対象は円錐形のステップドリルと呼ばれる物をモデルにしたやつであって、こんなリアル工具でよく見る形状のドリルにロマンを感じる男は少数派だと思う。
 いないとは断言しないけど。
 (同書、pp.262-263)


ドリルの名称なんて作者もこれを書くに当たって調べて初めて知ったそうですが(あとがきより)。
一人称の文で、語り手の知識にないようなことが語られるのは、瑕疵と考えるべきか……小ネタだけに微妙なところですが、ただこの場合、何にでも対応してすっぱり切り捨てることができるのがツッコミキャラとしての良さであるのも確かです。
口語調ながらも客観的に記述しているような文体もいい味を出しています。

はたまた、憧れの機織先輩が女性と連れ立って歩いているのを目撃してしまう展開で――

(……)どういうわけか腕なんて組んで歩いている。
 その姿は、傍から見ればどう見ても恋人同士――
「……には見えないわね、うん」
 一瞬ドキッとかヒヤリとかはしたものの、あたしはすぐに思い直した。何というか先輩は、その女性に引っ張られているという感じだった。そういった間柄を思わせる雰囲気じゃ――
 (同書、p.165)


ここで、勘違いに基づく恋の悩みなんかで引っ張らないで話を進めるのが良いところです。
冷静に事態を見切れるのもツッコミキャラの資質です、多分。
…もっとも、予想外に大きな間違いがあったりもしますけれど(それについては読んでのお楽しみで)。

ただ、そんな彼女も気付かないことと言えば…
(軽く1巻のネタバレをしますけれど)
セレンディアナのライバルである神族側の魔法少女・ソルインティの正体は、瑠奈のクラスメイトであり、同じく機織先輩に憧れるライバルであった陽守比菜(ひのかみ ころな)でした。
が、1巻では色々あった挙句…

「か……勘違いしないでくださいね!? 私はあくまで責任を取っていただきたいだけで……!」
 いわゆるツンデレの模範と言っていいくらいの剣幕でまくし立ててきた。向ける相手は間違ってるとしか思えないけど。
 (根木健太『魔よりも黒くワガママに魔法少女は夢をみる』1巻、エンターブレイン、2011、p.338)


何を間違ったか、比菜がデレます。
今日日、ツンデレの定型などは周知の事実で、このくらい間違わないとネタにならないのはよく分かりますが。

そして2巻では…

瑠奈&比菜
 (前掲2巻、p.315)

これも普通のラブコメとは縁遠ければこそ、でしょうか。
                           (芸術学4年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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