オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
クイズの問題の欠陥を突いていたらキリのないことですが
夏野霧姫が所持している専用の辞典「Kiripedia」に登録されている言葉という設定のようで、本文中で語られている以上に登場人物その他の固有名詞に関する設定などが語られることもありますが、ネタであることの方が多いですね。
たとえば――
【ドM】…… 他人から虐げられることに喜びを見出す性癖。痛みを原動力とし、更なる痛みのためには労力をいとわない。あらゆる苦境を己の快楽へと変換してしまうため、苦難の時代に適応した新人類の姿ではないかと提言する学者もいる。その学者は疲れていたので田舎に帰った。
(更衣俊介『犬とハサミは使いよう』2巻、エンターブレイン、2011、p.197)
『邪神大沼』のマニュアルネタにしてもそうですが、こういう真面目くさった説明文のスタイルにおかしな内容を嵌め込むこと、つまり形式と内容のズレそのものはボケの基本ながら、独自の辞典にせよマニュアルにせよ今や世にあふれているだけに、「ありがち」感があっていっそうおかしいところがありますね。
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今も『Qさま!!』のクイズをやっていましたが、年末に旅館で見ていたクイズ番組で高学歴の解答者を集めた超難問揃いのやつがありましたね(大まかな出題範囲は事前に教えられているのではないか、という気もしますが…)。
で、中にはたとえば「ピカソの洗礼名を含めたフルネームを答えよ」とかいう問題も。
これを見事解答する人がいて会場を騒然とさせたわけですが、観ていてふと気になりました。
ピカソのスペルはpicassoです。しかし、スペイン語にssというスペルはありません。ピカソはカタルーニャ人なので、おそらくカタルーニャ語の名前なのでしょう(普通「スペイン語」と言われるのはカスティリャ語で、バルセロナ辺りの本来の言語はカタルーニャ語です。現在は2つとも公用語)。
だとすると、名前の他の箇所はスペイン語読みで良いのか。カタルーニャ語の発音はスペイン語とフランス語の中間だと聞きましたが…
まあこんなのは、文字通りどうでもいいことです。
が、もっと気になる問題も。
ある野球チームの4番バッターが一試合でホームラン2本、ヒット3本を打ったが、打率がまったく上がらなかった。なぜか。
この問題、わざわざ「頭を柔らかくして考えましょう」と宣告されていました。
そして答えは「もともと打率が10割だった」でした。
まあたしかに、「10割ならいくら打っても打率は上がらない」のは確かで、この答えが間違っていることはありません。
が……
記憶頼みなので、何か間違いがあったら申し訳ありませんが、まず「ホームラン2本、ヒット3本」というのは「5安打、うち2本が本塁打」のことなのか、それとも「3安打、うち2本が本塁打」なのでしょうか。
後者の場合、たとえば4打数3安打なら打率は7割5分、したがってもともと打率が7割5分以上ならば「まったく上がらない」に当て嵌まります。
それどころか、試合が長引いて7打数あったとすれば打率4割2分9厘、これなら一時的にはありえない数値ではありません。
もっと考えると、「打率10割」というのも、それまでに1~2試合しかやっていなければありえます。これははたして「頭を柔らかくして」と言わねばならないほど、ありえない想定なのか…
この点を突き詰めると「開幕戦だった」場合はどうなるのでしょう。
それまでの打率は「存在しない」ので、上がることも下がることもありません。
こうした解答も「不正解」とはできないように思われたんですが、ねぇ……
(芸術学4年T.Y.)
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コメント
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あけましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になり心よりお礼申し上げます(*´∀`*)ノ
これからも仲良くしてくださいね(´ω`)ノ
本年もよろしくお願いします。
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