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ヒーローの歴史を守るヒーローについて

唐突ですが、ライトノベルのスマッシュ文庫にて来月予定されている新刊がこの4冊です。

妹がゾンビなんですけど! 3 (スマッシュ文庫)妹がゾンビなんですけど! 3 (スマッシュ文庫)
(2012/03/16)
伊東 ちはや

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1,2巻については以前に紹介しました。新興レーベルで刊行数もまだ少ないスマッシュ文庫としては希少な(おそらく2作目の)3巻です。

ウルトラマン妹 (スマッシュ文庫)ウルトラマン妹 (スマッシュ文庫)
(2012/03/16)
小林 雄次

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なんと円谷プロの監修による公式とか。
胴体だけ変身後の表紙絵はイメージらしいのですが、何やら異様な雰囲気が…

妹がスーパー戦隊に就職しました (スマッシュ文庫)妹がスーパー戦隊に就職しました (スマッシュ文庫)
(2012/03/16)
大橋 崇行

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同時にこれをぶつけていいものか…
作者の大橋氏はライトノベルの研究をやっている方のようですが、はてさて……まあ実物を見る前にあれこれ言うのはなしにしましょう。

イモート・オブ・ザ・リング (スマッシュ文庫)イモート・オブ・ザ・リング (スマッシュ文庫)
(2012/03/16)
乙鳥 形奈

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タイトルは多分これが一番ひどいと言いますか強引と言いますか。
しかし、あらすじを見ると内容も本当に『ロード・オブ・ザ・リング』ネタのようです。

4冊すべて妹モノです。

いくら「妹萌え」を称そうと、これだけカオスだと「妹なら何でも」という人は少数ではないかと思いますが……

 ~~~

ふたたびポール・ブリッツ氏のコメントへの返答となります。
いくつかの論点があるので、必ずしも順番通りにお答えはしませんが。

> そもそも、「過去に起こったことをなかったことにする」ことが、「今ある世界を否定する」ことと直結する、というのは論理の飛躍があるように思います。

まず、ここには時間論が関係してきます。
たとえば、過去を思い出すことができるのはなぜか。脳内に何か過去の記録があるとしても、「なぜそれが過去であるのか」は説明されません。間にいくら「過去の記録」なり「痕跡」なりを挟んでも、結局は「過去そのもの」に到達せねばならないのであり、過去を思い出すとは実在する過去そのものに触れることである、という議論があります。
言葉の面から言えば、「今はもう夜だ」と言う時には今日の昼は過去ですが、「今は冬だ」と言う時は、今日の昼も昨日も、先月も「今」に含まれます。これを敷衍して、究極の「現在」は全ての過去を含む、と考えることも可能です。
過去・現在・未来が相互に排除するものとして並んでいるのではなく、現在が過去を含んでおり、過去が現在を構成する一部であるのならば、やはり過去を否定することは現在(少なくともその一部)を否定することになるでしょう。

しかし、問題になっている「過去に遡って世界を改変する」というケースでは、「改変後の世界」においてもやはりそれなりの過去(『ゴーカイジャー』の場合なら、スーパー戦隊の存在しなかった歴史)が存在するのであって、いずれの過去も等価なのではないか――争点はこの辺りではないでしょうか。

実際、二つの世界を並置して考えるなら、それは正しい、と思います。

> 「かつてスーパー戦隊がいた世界があった」と考えること自体、『「背後世界」的想定、現実からの逃避であり、生を弱らせるものである』、と、その改変後の世界でのニーチェはいうのではないでしょうか?

「改変後の世界」を出発点として考えることが、改変前の世界を出発点に考えることと等しく可能な視点を取るなら、その通りです。
ただ、現にある世界に生きてしまっている者にとって、「この世界を改変するか否か」という問いはそのような中立なものではなく、「この世界を受け入れるか、否定するか」という意味を持ってしまうのではないか――私が考えているのはそのようなことです。

改変についての記憶が残るものかどうかは、『ゴーカイジャー』の場合には描かれていない以上、何とも言えません。ただ、改変を行ったゴーカイジャーにのみ記憶が残るというのが定石ではあります。
ひとまずその前提で考えてみると、ゴーカイジャーたちにとっては「宇宙最大の宝」の力を使って宇宙を改変することは、この世界と過去の否定という意味を持ちます(それゆえ、過去に自ら決着をつけた強さが損なわれることにもなる)が、その他の人々にとってはそうではない(元より与り知らぬこと)ということになります。

演出的には、スーパー戦隊から勇気を受け取って微力ながら戦っている人たちを見て、ゴーカイジャーは「この星にはスーパー戦隊が必要だ」と結論するわけですが、「スーパー戦隊もザンギャックのような巨大な悪も存在しない世界」において地球人が弱くなるのかどうか、ましてその世界が良いのか悪いのかということについては、実のところ判断の根拠はありません。
つまり、この世界を肯定するか否定するかの選択権を持つゴーカイジャーたちが「自らの過去を受け入れる決断をする」ことと、世界が改変されようがされまいが、ある世界をあるように生きるのみの地球人が「スーパー戦隊の存在から勇気を受け取っている」ことが重ね合わされているのですが、これはある種の演出上の詐術である、と言うことは可能であると思われます。
(是非はともかく、作中において「過去を受け取ることに根差した強さ」とでも呼ぶべき主題の下に両者が重ね合わせられている、という私の作品解釈は変わりません。そして、演出においては必ずしも「詐術」を全面的に否定もしません)

さて、「正義」を掲げはしなかったゴーカイジャーの発言としては、「この星にはスーパー戦隊が必要だ」というのも、「地球人のため」といった善意というよりも、「自分は“スーパー戦隊の歴史”にどんな宝にも匹敵する価値を見つけた、だから守る」という程度の意味で取った方が良いでしょう。
その意味で、ゴーカイジャーは独断を全地球人に押し付けました。
ただ、ヒーローとは元々、超法規的に自らの判断で動くという点で、そのような独断的な性格を持っています。
良くも悪くもスーパー戦隊というヒーローの歴史を肯定し、その上に新たな一歩を積み上げることを目指した『ゴーカイジャー』は、まさにヒーロー的独断をもってヒーローの歴史を守ることを主張した、ということになりましょうか。
                           (芸術学4年T.Y.)

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テーマ : 芸大・美大・その他美術系学校 - ジャンル : 学校・教育

コメント

No title

なるほど。とらえ方についてはわかりました。

お忙しい中、問答につきあってくださって感謝しております。

でもこうして哲学の話するのは楽しいですね(^^)

また余裕ができたらなにか吹っかけるかもしれませんが、そのおりはどうか生温かい目で……。

Re: No title

いえいえ、こちらとしても議論を通して考えを進められるのは楽しいものです。
ただ、いつでも応じられるとは限りませんが…

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プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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