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空想生物学

今日は趣向を変えて、奇妙な生物学系の本の紹介です。
私が子供の頃から大好きな一冊です。

鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活 (平凡社ライブラリー)鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活 (平凡社ライブラリー)
(1999/05)
ハラルト シュテュンプケ

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「ハイアイアイ諸島」において発見された、まったく新しい哺乳類――鼻行類
この動物たちは鼻で歩き、鼻で獲物を捕らえます。中には複数の鼻を持つものまでいます。

たとえば、鼻で飛び跳ねたり、

トビハナアルキ
 (ハラルト・シュテュンプケ『鼻行類』日高敏隆/羽田節子訳、思索社、1987、p.45)

6つの鼻で花に擬態して虫を捕ったりします。

ハナモドキ
 (同書、p.75)

もちろんジョーク本です。この内容はフィクションです。
ただ、この手の空想動物本の中でも本書は卓越した出来です。鼻行類の様々な種の生態や生理学的な構造が、いかにも学術書文体でこと細かに説明され、そのための考証も手が込んでいます。さらに、特に分類系統に関することなどは「~~という学者はこう主張しているが、○○はそれに異を唱えている」という異説の併記までして、それらしさを出しています。
生物学的知識があればいっそう楽しめること請け合いです。
生物学者である日高敏隆氏が「あまりのおもしろさに」是非ともと翻訳しているのもこの本の魅力を物語っています。

たとえば、同系統の本としてドゥーガル・ディクソンの『アフターマン』や『フューチャー・イズ・ワイルド』といったものもありますが(後者はディスカバリーチャンネルだかで放送もされていました)、それらは目(もく:分類の単位)のレベルで新しいグループを創造するには至っていませんし、解説の細かさにもかなりの差があります(まあディクソンの作品も好きですけれど)。
『アフターマン』にも地上生活に戻り、耳と鼻を使って花に擬態するコウモリの子孫が登場しますが――

フローアー
 (ドゥーガル・ディクソン『アフターマン』、ダイヤモンド社、2004、p.231)

この顔はある意味で、現生のコウモリの延長上にあります。それに比べて、鼻が6つあるという発想はやはり飛び抜けています。

ちなみに、『アフターマン』の表紙の動物↓もコウモリの子孫ですね。だから(元は翼の)前脚で歩いているのです。

アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界
(2004/07/09)
ドゥーガル・ディクソン

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フューチャー・イズ・ワイルドフューチャー・イズ・ワイルド
(2004/01/08)
ドゥーガル・ディクソン、ジョン・アダムス 他

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                           (芸術学4年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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