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ゲームの世界でのアドベンチャー&バトルロワイヤル『連鎖のカルネアデス』

慣れたつもりでも、「そんなことでいちいち連絡してくるな」と言う人のイメージ刷り込みは存外強いもので、そう思うと連絡するのが苦手になります。
……といった言い訳はほどほどにしましょう。

 ~~~

本を詰めた段ボール箱12個目…と言っているそばから、また丸一箱分ほど新たに本をいただくことになってしまいました。
それから、ほぼ同サイズの段ボール箱一杯に本を詰めると21kgほどになることが明らかに。重くなりすぎるので少し隙間を空けてはいますが、確実に15~20kg弱はありますね。
すると昨日の計算値も修正、部屋中の本は合計300~400kg弱はあることに…

 ~~~

Facebookにログインしようとするといきなり失敗、もしかしてパスワード設定時に間違えたか? などと思いましたが、「パスワードが変更されました。身に覚えのない場合、なりすましによるフィッシングの可能性があります」旨の連絡が。
しかもこのパスワード変更時刻、アカウント作成より前です。
わけがわからないよ。

 ~~~

何事もなかったかのようにライトノベル、今月発売の新作です。

連鎖のカルネアデス (ファミ通文庫)連鎖のカルネアデス (ファミ通文庫)
(2012/02/29)
ひびき遊

商品詳細を見る

主人公の早乙女貴志(さおとめ たかし)はゲーム三昧の日々を送る高校生。といっても、「共働きの両親は、成績さえ落とさなければ口うるさくない」(p.8)という台詞からうかがえるように、学業をはじめとする日常生活を普通にこなしつつゲームをやっている感じですが。
ある日、ネット接続機能を持ったゲームハード「ドリームシフト」に接続した彼が目にしたのは、数年前に死んだはずの幼馴染・児玉双葉(こだま ふたば)からのメッセージ。

 たすけて たかちゃん
 わたしは このゲームに ころされる

  (ひびき遊『連鎖のカルネアデス』、エンターブレイン、2012、p.7)


病弱で家に籠もりがちだった双葉はたしかにゲームに嵌っていて、貴志も双葉の導きで「ドリームシフト」のネットゲームを始めたのですが、メールの発信日は双葉の死んだはずの日よりも後(双葉の死後、貴志はドリームシフトから遠ざかっていたのでした)。
このメールを発信した時に双葉がフレイしていたゲーム名は《パラダイス・オンライン》ですが、調べてみても「プレイ人数12」という以外は一切が非公開で不明と来ています。
しかしその夜、貴志の元に《パラダイス・オンライン》からの招待メールが届いたのでした。
登録したところ、貴志(ゲーム中でも登録名「タカ」)は《パラダイス・オンライン》の世界へと誘い込まれます。

《パラダイス・オンライン》――それはゲームの世界に入り込む、「究極のリアルゲーム」でした。

ゲームの中に入る、というのは珍しい設定ではありません。いかになヴァーチャル・リアリティのイメージですね。
特徴としては、12人のプレイヤーが合同でプレイするネットゲームでありながら、登録時にそれぞれが「ゲームジャンル」を選択する、ということですね。選択したゲームジャンルに応じてプレイヤーにはそれぞれ能力が与えられるわけでして、「格闘ゲーム」ならば当然技を使って戦えますし、「リズムゲーム」(モデルはあの《ダンス・ダンス・レボリューション》らしい。なおハード名の「ドリームシフト」も含めて、作中に登場するのは基本的に実在するゲームのパロディです)ならば正しくステップを踏むことで衝撃波を放って敵を攻撃できます。

しかし、「プレイ人数12」という公表データにもかかわらず、その場に集まったプレイヤーは13人。それゆえ貴志はこの中にゲームマスター側の送り込んだ「内通者」がいるのでは、と疑いますが……
まず、この数字が『仮面ライダー龍騎』のライダーの数であることがすでに、ある不吉な事態を予感させます。彼らが得体の知れないゲームマスターによって逃げる手段のないゲームに参加させられるという設定、それに「カルネアデスの板」、と来れば、ことは予想できますね。
バトルロワイヤルです。
ただし、そこに至るまでの「チュートリアル」段階が結構長く、《パラダイス・オンライン》の恐ろしさがはっきり見えてくるのは100ページを過ぎた辺りになりますが。

選択したゲームジャンルによって強さにはかなり差があるように思われますが、そこは能力に応じたリスクが設定されてゲームバランスを取っている、ということになっています。それでも公平ではない気がしますが、その辺も含めてゲームマスターのきわめて恣意的な采配、ということでしょう。
貴志――「タカ」のゲームジャンルは「戦略シミュレーション」。手駒を操作して戦わせるジャンルなので、直接の戦闘能力はまったくありません。しかし、手駒も何も「周りはみんな敵になる可能性がある」という状況なのですから厳しい設定ですが、そこを上手く能力を活用していくところが魅せ所です。あとがきを見ても、頭脳派の主人公を描くのが一つの趣旨であることが窺えます。

ただ本作、この1巻ではとりあえずゲームが一段落してはいるものの小休止という格好で、「内通者」は誰かもゲームマスターの正体も、そして双葉からのメッセージの謎も解決されてはいません。プレイヤー13人全員の顔と名前すら判明していない有り様です(全員の絵を載せるにはカラー口絵の幅が足りなかったから、ということですが…)。
設定はちゃんとあるようで、さらに細かい展開は別にして、主人公以外の12人全員に「裏切る場合の理由」が設定されている(あとがき、p.308)とのこと。誰それは確実に信用できる、とは言えない状況なわけで――

タイトルの「連鎖」は、裏切りが裏切りを呼ぶことを示唆しているのでしょうか。

今後どう転ぶのか、ゲームマスターの裏をかくことはできるのか分かりませんが、なかなかに楽しみな話ではあります。
                           (芸術学4年T.Y.)

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テーマ : 芸大・美大・その他美術系学校 - ジャンル : 学校・教育

コメント

No title

これは個人的な感想になるが、現代のライトノベルにおいては、かつてミステリやSF、ゲームやアニメがそうだったように、

「新しいアイデアをつくるそばから陳腐化する」

という期間に相当している気がする。

どれほどすばらしいアイデアであっても、口に出したとたんに、「ああ、よくあるあれね」といわれる期間。

うむむ。

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プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

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