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時代を感じる一冊

段ボール箱17個目作成中(内一つは大きめの箱ですが、その分隙間を多めに開けてあります。重くなりますので)
……本だけで箱20個までに収まるかどうか、微妙になってきました。追加で先生から戴く分を含めると超過するかも知れませんね。まあ、まだ箱はありますが。
大版の画集など、読む可能性の低いものは置いていくことにしました(美術研究をやっていれば話は違ったのでしょうが)。
新書も……大半はいらないでしょうか。

箱にしまってしまう前に軽くでも目を通しておきたいなあ…という本の多いこと。ああ速読スキルが欲しい。
しかし、本当に一日が過ぎるのが早いですね。

 ~~~

3月13日には、宅配便の受付が相当混雑していたと聞きました。ホワイトデーの前日だからではないか、とのこと。
宅配便で送るのか……何を?
いや、小さなプレゼントを宅配便で贈ってもいいのか。

 ~~~

これも戴き物の一冊。

現象学 (文庫クセジュ 374)現象学 (文庫クセジュ 374)
(1965/01)
ジャン・フランソワ・リオタール

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ジャン=フランソワ・リオタールと言えば、『ポストモダンの条件』という著作で有名で、「ポストモダニスト」あるいは「ポストモダン」概念の主張者の代表的な一人として知られます。
が、本書はそれよりも前に書かれた入門書的な小著です(なお、「現象学」とは哲学の一ジャンルです)。
原著の発行年は1964年。(以下、哲学者の名前が出てくる箇所は、知っている人以外は読まなくていいです)これはメルロ=ポンティ(1908-1961)が死んで、レヴィナスの『全体性と無限』(1961年)やミシェル・アンリの『顕現の本質』(邦訳タイトルは『現出の本質』、1963年)といった、その後の現象学の(「神学的転回」とも呼ばれた)展開の幕開けを告げる著作が発行されて間もない頃で、後者についてはまったく反映されていないので、今見ると古い感もあるかも知れません(しかし、だからと言って、語られている範囲に関して内容が不適切なものになっている、ということには必ずしもなりません)。
何と言っても時代を感じさせるのが訳者まえがき

[……]著者については、P・U・Fに問いあわせたがまだ返事がなく、残念ながら何もわからない。しかし本書の内容から察するに、おそらくメルロー-ポンティの弟子の一人だろうと想像される。
 (J-F・リオタール『現象学』高橋允昭訳、「訳者まえがき」、白水社、1965、p.5)


リオタールが有名になる前のものであることがよく分かります。

上述のように、今や「ポストモダン」論の方で有名になったリオタールですが、それは一面に過ぎず、他にも18世紀的な「崇高」の美学を現代美術について唱えたとか、色々な方面で哲学を展開しています。
ちなみに、『ポストモダンの条件』については目を通したのが結構以前のことですが、よく分かりませんでした。ですから、批判できるほど「ポストモダン」論を理解しているつもりはありません。ただ、リオタールを引き合いにだしてポストモダンだ「大きな物語の消滅」だと言う人は少なからずいますが、その中にはしばしば「今はポストモダンだ、モダン(近代)とは決定的に違う、見れば分かるでしょう」的な人がいるのは気になるところです。

ポスト・モダンの条件―知・社会・言語ゲーム (叢書言語の政治 (1))ポスト・モダンの条件―知・社会・言語ゲーム (叢書言語の政治 (1))
(1989/06)
ジャン=フランソワ・リオタール

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現代フランス現象学―その神学的転回 (ヴァリエ叢書)現代フランス現象学―その神学的転回 (ヴァリエ叢書)
(1994/07)
ドミニク ジャニコー

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                           (芸術学4年T.Y.)

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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