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メディアミックスに当たってどう料理するか

桜の季節ですね。
通りを歩いていてもそうですし、

桜(通り)

キャンパス内でも。

桜(キャンパス内)

桜(キャンパス内)2


さて、今日は新入生ガイダンスがありました。と言っても、先生からいくらか話があった、という程度ですが。
やはり修士課程ともなるとかなり自由に設定されている、というのは確かなようで、必要単位は必修16と自由選択14、わずか計30単位止まりで、必修16単位の内、院生全員参加の合同演習のみで8単位になります。
後は他の専修の授業でも、はたまた他学部の授業でもご自由に、という感じですね。

まあ私の場合、必ずしも自分の研究にただちに繋がらないところまであちこちに顔を出しすぎですが…

研究というのは結局のところ、自分でやるしかないものですが、その辺も強調して言われましたね。
「大人として扱いますから」という言葉が印象的です(まあ当然ですが)。
愛知県芸では学部1年生の時から研究発表があって、その準備に自分なりの勉強をせざるを得ませんでしたし、そこで自分の興味を示したところで改めて先生からのアドバイスもあったのですが(修士課程でも、たしか1年時から中間発表はあったかと)、こちらでは修士1回生時には発表も(少なくともその義務は)ないとのことで、本当に自分で勝手に進めておかねばなりません。

それから、講義においても、こちらの先生方は「現在自分が研究中のテーマを報告する」という意識が強いようです(もちろん先生により、また授業開講の背景により違いはありますが)。
他専修の話になりますが、「(このシラバスを書いてから開講するまでの間の)自分の研鑽により内容は変化することがある」と書いている先生までいますからね。

ただ、講義はともかく、文献購読の授業に関しては、シラバスに「○○を読む」と購読するテキスト名が書いてあって、丁寧に説明されているのが新鮮なくらいでした。愛知県芸ではそんなことは書いていないのが普通で、受講生を見てテキストを決めていたケースもあったくらいですから。まあ、あそこでは特定の外国語を購読する授業は一つしかないので、テキスト名どうこうで選択する余地などなかった、というのもあるのですが。
……と思ったら、京大でもそんな丁寧なシラバスを書くようになったのはここ数年のことだとか。納得。

 ~~~

昨日の記事の前半でちょっと触れた『這いよれ!ニャル子さん』のアニメについてもう少し。
まず、原作1巻の「序」は主人公の真尋が謎の怪物(ナイトゴーント)に追われているところから始まります。、そこで登場してナイトゴーントを倒したニャル子の名乗りが、

 頭が混乱している真尋に、その少女はにっこりと微笑みかけてきた。
「こんばんわ。いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、ニャルラトホテプです」
 嫌なキャッチフレーズだった。
 (逢空万太『這いよれ!ニャル子さん』、ソフトバンククリエイティブ、2009、p.11)


ここで「序」が終わって「第1章」に移るわけですが、アニメでもここまでがアバンタイトルで、この後オープニングが始まります。まあ、他に区切りようもないでしょう。

そして、プロローグの締めが「嫌なキャッチフレーズだった」というこの一文です。
先程まで怪物に追われていた真尋の混乱やら同様やらは脇に置いて、むしろ無味乾燥なくらいの一言で脱力感を伝え、この作品の方向性をも見事に宣告しています(実際、クトゥルーの邪神の名であることは置いておいても、「這い寄る混沌」というおどろおどろしい表現に「いつもニコニコ」と冠するセンスを、他に何と表現のしようがあるでしょうか)。

『ニャル子さん』という作品は、日常会話も地の文も、一見シリアスな決め台詞も、普通に書けば済みそうなところまで隅々までパロディに満たされていますが、それを可能にしているものの一つにこの文体があります。
普通に書いた方が話は早いところにまで、まったく異なる様々なところから取って来られたネタが挿入されていて違和感なく読み進めるためには、それなりの工夫が必要です。
息が短く切り詰められた文章も、「事(こと)」「為(ため)」「概(おおむ)ね」等、結構漢字が多く説明文的な調子も、ほとんどが真尋視点から描かれていながら三人称で感情を遠ざけた叙述も、余計な味を出さないことであらゆるネタを自然に受け入れる「地」として機能しています。

ライトノベルにおいて今やパロディネタはありふれたものとは言え、『ニャル子さん』ほどの密度を達成した作品は他にあまり例がないのは、そもそもそれほどのネタのストックがないのもさることながら、それを可能にする文体が比類ない芸だから、という面もあるのではないでしょうか。

さてアニメに戻ると、地の文の表現は当然、アニメにはありません。
上記の「序」にしても、「嫌なキャッチフレーズだった」の言葉はありませんが、その代わり、(PV映像にもあった通り)このキャッチフレーズを言うニャル子が特撮ヒーローの変身ポーズ風のアクションを見せることで脱力感を表現していました。
仮面ライダーネタが圧倒的に多く、表紙からして2巻以降はライダーの変身ポーズを取っているこの作品にきわめて相応しいアレンジだったと言っていいでしょう(漫画でもライトノベルでも「次の巻の表紙に誰が来るか」はよく話題になりますが、「次の巻の変身ポーズは何か」が話題になる作品はたいへんレアです)。

パロディネタに関しては、原作のネタで端折られたものは多いですが、デザインやアクションや演出において、画面の端々にネタを仕込むのはアニメの得意とするところでもあります。変身ポーズの件でも分かるように、そのようにネタを仕込もうという気概あちゃんと窺えました。アニメショップでは同作者の『深山さんちのベルティン』の登場人物が出演していたりする辺り、原作をよく押さえていますね。
後は、アニメショップに同じGA文庫の作品が大量に映し出されているのは原作編集部からのPRでしょうか……

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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