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「戦う」のは誰か

差し迫った用があって忙しい、というわけでは必ずしもないのですが、色々やっておきたいことはあるので、記事のネタがまとまりません。
ライトノベル『好敵手オンリーワン』等も新刊が出たのですが、読み終えた上で感想等書くに至っていないものの一つです。
その代わりというわけではまったくありませんが、『好敵手オンリーワン』の1巻では、神社である弥生の家は祭りの縁日などを仕切ってきたヤクザと付き合いがある(最近は昔のような付き合いは難しくなったものの)、というくだりがありました。
作者の話などを読んでいても、どうもかなりの部分、実話に基づいているようですね。

(なお、『好敵手オンリーワン』においてはその後、ヤクザ何か頼めば高くつくという話と、さらに堅気にもヤクザに劣らず悪い奴がいるという話が続くことを付言しておきます)

以下の書にもそんな話が。

ヤクザに弁当売ったら犯罪か? (ちくま新書 961)ヤクザに弁当売ったら犯罪か? (ちくま新書 961)
(2012/05/07)
宮崎 学

商品詳細を見る

 暴排条例を受けて、寺の住職や神社の神主が屋台をどうしたらいいのか戸惑っているという話をよく聞く。条例によれば、組系露天商に利益給与してはいけないということになり、屋台のスペースをヤクザに与えたら、罰せられる可能性もある。罰せられなくても警察に非協力的であるし、名前が公表されることもある。
 もともと、祭りには明るい側面と暗い側面があって、怪しげなところもふくめたものが祭りの魅力だ。テキ屋にも人相の悪い人がいたり、いかがわしげな人もいたりするが、祭りの明るさとの対比が面白いという面もあった。この人たちを招きいれた住職や神主も、条例によって網にかけられてしまう可能性がある。条例のおかげで、「どの業者がヤクザ系か主催者には把握できない」という理由で、伝統ある地方の祭礼が中止に追い込まれたという例がいくつもある。
 (宮崎学『ヤクザに弁当売ったら犯罪か?』、ちくま新書、2012、pp.66-67)


「どの業者がヤクザ系か主催者には把握できない」、つまり「ヤクザとは知らない」のなら責任など問えないというのが常識ではないかと思いたくなりますが、現状はさにあらず、ということのようです。
これはタイトルにあり、まえがきの冒頭で挙げられている、2009年に「福岡県のデパートが県内の暴力団に『事始め』用に弁当数百個を販売し、県警から取引をやめるよう注意され」(同書、p.7)たケースに関しても同じです。

「相手がヤクザとは知らなかった」と言えるなら、暴力団名義で領収書を切っていない限り言い逃れはできることになりますが、悪事に加担したわけでもない人間の責任などその程度ではないでしょうか。

そもそも、コンビニで暴力団員個人に弁当を売っただけならさすがに責任は問われないでしょう。ではどこからが問題なのか、実は警察も基準を示すことができていない――というのが、本書中でもまず指摘される問題です。

著者の宮崎氏は、親切にも著者紹介にある通り、ヤクザの息子であって、その分ヤクザ贔屓ではありますし、ヤクザによる被害については語りません。しかしそれを差し引いても、本書の指摘は重要です。
主な指摘は…

・暴力団との「社会的に非難されるべき関係」という不明瞭なもの、つまりは警察の恣意的な認定で、法律に則ることなく条例レベルのみを根拠に、人間や会社を社会的に抹殺できてしまう。
・暴排条例の理念は「社会vs暴力団」、つまり一般市民を暴力団との対決の“矢面に立たせる”ことである。しかしそれによって暴力団に狙われたら警察は守ってくれるかといえば疑わしい(そもそも、警察の第一の仕事は「人命を賭けてでも暴力団を排除する」ことではなく、相手がヤクザであろうが堅気であろうが「事件を起こしたら摘発する」ことではないでしょうか)。
・暴力団対策は、警察の新たな利権である。
・芸能界にしても相撲界にしても、ヤクザと独立してそれらの業界が存在し、ヤクザが食い物にしているというイメージは間違いで、元々はヤクザが成り立たせてきた業界である(もちろん、現在では状況が変わっている面もあるでしょうが…)。
 etc...

今日は以上です。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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