オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
「権力者」は何に服属しているか
さて、本日の『特命戦隊ゴーバズターズ』では陣マサト(ビートバスター)の正体が判明。
実は亜空間にいる本人が転送で地上に送り込んだアバター(分身)とのことで、そのため爆死したと思われても平然とまた登場しました。外見が歳を取っていないのもそのためのようです。
すると、彼は普通には死なないわけで、普通なら命懸けのことも容易にできます。かなり戦い方の常識が変わりそうですね。
その代わり、相棒のバディロイド、ビート・J・スタッグ(Jは樹液のJとのこと)が転送のためのマーカーになっているとのことで、とすればマサトを消すにはまずスタッグを倒せ、ということになります。
人間よりバディロイドの方が守られねばならないという関係は、ここでもやはり維持されているようで。
そしてまた、同時に爆発に消えた敵エージェントのエンターも同じく再転送されてきて、アバターだと判明しました。ヴァグラスの一員であるエンターの場合、本体も人間ではないのでしょうが…
それから、名乗りは控え目で「特命戦隊」とも言わないゴーバスターズですが、今回は名乗りに関してもネタがありました。
すなわち、いつもでしゃばってマサトに「俺にかぶるな」と言われているスタッグが、ここでも先に「スタッグバスター」と名乗ろうとして、「俺が先だっつうの」と制止されるという……
長ったらしい名乗りよりもいっそう「そんなことやってる場合か?」と言いたくなるのはなぜでしょうか。
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『仮面ライダーフォーゼ』では、前回タウラス・ゾディアーツとして見出された生徒会副会長・杉浦雄太が「天ノ川学園法度」を制定、全校に強権政治を振るい始めます。
「生徒会の横暴との対決」は学園物の王道の一つですが、弦太郎も勝負に敗れてリーゼントと学ランをやめる破目に。しかも、この時の契約のため、もはや杉浦に「逆らう」こともできなく――つまり戦うこともできなくなってしまいます。
「お前がゾディアーツに変身するのは法度違反じゃねえのか」と問う弦太郎に対し、杉浦は「規律を守らせるためだ」と返答。自らは法の下になく、法を定める立場にあるからこその絶対権力者です。
しかし実は、ホロスコープスが権力者として学校に君臨するエピソードは今回が初めてではありません。ただし、前回は天ノ川学園でのことではなく、朔田流星(メテオ)と交換編入生として昴星高校に行っていた山田竜守(やまだ たつもり)がアリエス・ゾディアーツに覚醒し、昴星高校を支配していました。
山田の場合、柔道部員を天文部に配置したり、体育教師に英語の授業をやらせたりとまったく恣意的な配置で学校中に「演劇」を行わせていました。合理的な理由の一切ない理不尽な命令ができることによって絶対的な「権力」の行使者となろうとしていたのは明らかです。
他方で、天ノ川学園の「自由な校風」を定めたのは、ホロスコープス達のボスでもある理事長・我望光明です。実際、立神は規律で生徒を縛ることで生徒の能力が開花しにくくなり、「次のホロスコープスを見つけにくくなるのでは」と疑問を抱いていましたが、ただ我望には考えがあるようで、「問題ない」と構えています。
また、杉浦はその性格ゆえか、校長の速水にも(ホロスコープスの中では珍しく)従順です。つまり、杉浦は生徒の仲では絶対権力者でも、上役に従う立場でもあります。
しかし、杉浦が本当に従っているのは、入院中の生徒会長・壬生彩加(みぶ あやか)の理念のようです。元々、規律を重視する壬生に対し、副会長の杉浦は生徒の自由を大切にしていたのですが、最近急に人が変わったようになった、というのです。
弦太郎は入院中の壬生にも会いに行きましたが、杉浦が変貌した理由は分からず、次回に持ち越しとなっています。
長々と取り上げたのは、「法を立法することにかけては自由である絶対権力者が、実は何に服属しているのか」という点に関して、なかなかに面白いイメージを見せてくれる可能性があるからです。
しかし来週は全米オープンゴルフにより放送休みですが……杉浦の得意分野がゴルフで、しかも次回流星がそれで勝負することになるのは何の因果でしょうか。
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