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いくつか

(前回のおまけ)
『耳刈ネルリ』において、ベイン教国出身の三人娘はいずれも高額の学費を自費で支払っている(奨学金を使っていないのは珍しいという設定)ほどの資産家で、かつ旧共和制語の教養はあって当然という感覚の優等生です。
国名が宗教に由来するらしいことといい、各地に親族のネットワークがあって、政変で国が崩壊して亡命してなお裕福だという設定といい、ユダヤ人を思わせるものがないではありませんが、しかしここでも、現実のユダヤ人問題的なるものを読み込もうとしても無駄でしょう。ましてやイスラエルは関係ありません。

 ~~~

家の前にヤクザが車を止めて、「出て来い!」と叫んでいたら、通報すれば警察が取り締まりに来てくれるでしょう、おそらく。
しかし、家の前に警察が車を止めて叫んでいたら、誰が取り締まってくれるのでしょうか。
もちろん、逮捕状があるならば家に踏み込んで逮捕することもできるはずであって、あくまで“任意同行”で取り調べに応じろ、というわけです。
さらに仕事関係者や親戚にまで悉く「あいつに容疑がかかっている」と触れ回ったとしたら…

もちろん、「任意の」取調べを強要するのは違法捜査であって、刑事訴訟法がきちんと守られているなら、違法捜査によって出てきたものである時点で、覚醒剤をカバン一杯に持っていようが家から死体が出てこようがそれは「証拠能力」を失い、裁判では無罪になるはずです。
ヤクザよりもまず公権力を取り締まるために法があるのです。
しかし、警察が堂々と違法捜査をやるということは、刑事訴訟法が守られないという自信があるのでしょう。
現に日本の有罪率は99.9%とも言われます。

……とまあ、そんな事例が実際に以下の本↓には載っていまして、これが本当ならばいよいよ危ないな、と。

冤罪と裁判 (講談社現代新書)冤罪と裁判 (講談社現代新書)
(2012/05/18)
今村 核

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と同時に、小沢一郎の件のように検察が証拠偽造をも辞さない理由も分かってきます。

「いずれにせよ悪い奴は悪いのだから、それを有罪にできるなら過程は何だっていいではないか」
ではなぜそいつが「悪い奴」と分かるのかと聞かれれば、自分は絶対の真理に通じているからだ――「遊び人の金さんが見ていた」が絶対の証拠になるので同じで――、と本当は言えるものなら誰だって言いたい。

 ~~~

また話は変わって、以前触れた『鼻行類』の原著は以下のものです。

Bau Und Leben Der RhinogradentiaBau Und Leben Der Rhinogradentia
(2006/09/21)
Harald Stumpke

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ただ原著と言っても、版を重ね文庫のような小型本化もされていますので、奥付を見ると日本語を含む4つの言語での訳題および出版社・出版年が。

鼻行類 原著奥付

上から順にフランス語・英語・日本語・イタリア語です。
後、表紙だけでなく本文もイラストが半分以上カラーです。
ただし――実際の学術用語でもそうですけれど――架空の生物の架空の身体構造を表すための造語が多い難物ですが。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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