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バトルロワイヤルは続き黒幕は遠く――『連鎖のカルネアデス2』

かつては(ひょっとすると結構最近まで)京大文学部は1年に4ヶ月しか授業がなかったと言います。
つまり、建前上はともかく実質上は4月も終わる頃になってようやく開講し、7月に入れば(暑いので)もう授業はなく、後期は10~11月だけ授業を行ったら早目の冬休みに突入してもう終わり、という。
まさしく自学自習の伝統(伝統――なんと便利な言葉であることか!)でした。

しかし最近では文科省からの指導が厳しいのでそうもいかないようで。やはり年間約8ヶ月、30週の授業が必要ということです。
まあ現実にはまだ遅めに開講したり早めに終わったりことがないではありませんが、あまり大きな声では言わないというお約束で。

 ~~~

今回のライトノベルは(公式には)本日発売、『連鎖のカルネアデス』2巻です。

連鎖のカルネアデス2 (ファミ通文庫)連鎖のカルネアデス2 (ファミ通文庫)
(2012/07/30)
ひびき遊

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ゲームの中の世界に入ってバトルロワイヤル、というある意味では珍しくない話ですが、主人公が戦闘能力を持たない頭脳派、しかもいつ裏切るか知れない連中を駒として使う「戦略シミュレーション」ゲームの能力であるというのが特徴の本作。基本構成は今回も前巻と同じで、やはり裏切り者が出てしまう展開があって、最後はまた一時中止で現実に戻ってきます。
前巻以上に印象深いのは、主人公・早乙女貴志(プテイヤー名:タカ)のモノローグに何かと、ゲーム「パラダイス・オンライン」関係で関わる人間に関して「使える」とか「どうするのが『正解』か」といった冷酷で計算高い言い回しが目立つことですね(「正解」を求めるのはきわめてゲーム的でもありますが)。
また、同じ高校の女生徒であり「パラダイス・オンライン」プレイヤーの一人である天野羽香璃(あまの はかり、プテイヤー名:ハッカ)から親密に接近されても、動揺する場面はあれど基本的には内心距離を置いているのは、幼馴染の双葉の消息を追うという動機が第一にあるということも大きいでしょう。
他方で、人の情に関しては読みを誤る場面も見られました。情を重んじるもう一人の非戦闘系プレイヤー・レオとは何かと相性が悪いタカですが、どうやらこの点に関しては両者が相補的に働きそうで。そのレオとリアル(ゲーム外)で知己を得るところで締めている辺りも計算された構成です。

肝心のこのゲームの仕掛け人についてですが、「公平さ」を盾に取ってゲーム中にその正体に関するヒントを盛り込ませることには成功。とは言え、この巻のヒントのみではまだ解明には程遠いようで…その意味で、進展は大きいという印象ではありませんね。
こうやって毎巻一人ずつ減りながら、核心については小出しにして続けていくのでしょうか。半分以下に減るくらいまでは十分続けられそうですし。
ただ問題は、あとがきの売り上げが芳しくない旨ですか…

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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