オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
帰って来ました
今回は恒例の旅行記です。
8月15日
名古屋から富山経由で立山黒部アルペンルートへ。
高原バスの途中では日本最大の落差を誇る滝・称名滝(約350m)が見られます。ここ「滝見台」ではバスが必ず一時停止してガイドが流れます。

(車内より撮影)
向かって左が称名滝です。一見して分かる通り、右の細い滝(ハンノキ滝)の方がもっと高い(約500m)のですが、雪融け水の流れ込む春や雨の直後にしか現れません。
室堂・ホテル立山から少し下って雷鳥沢に宿泊します。
そして謝罪……映画『おおかみこどもの雨と雪』に登場した池を剣沢だと思い込んでいましたが、もっとメジャーな観光地であるこちらでしたね。ホテル立山のすぐそばのみくりが池です。

参考:映画パンフレットより↓

この後、今までは火山性ガスが噴出する名所・地獄谷を通っていたのですが、時と共に噴出孔の位置や噴出し方が変化、近年は遊歩道間近からのガス噴出量が増していて、ついに今年から立入禁止となってしまいました。

地獄谷を遠くから見た全景はこちら。見事に有毒ガスによって草木が生えず、その中に硫黄の黄色が見えますね。

これだけ離れていても場所によっては硫黄の臭いが結構強烈で、「立ち止まらずに通り抜けてください」という旨の看板が出ているところも……もっと火山活動が活発化して通れなくなったら困りますねぇ……
8月16日
雷鳥沢を出発し、剣御前を越えて剣沢を下ります。
途中、真砂沢小屋からの景色。

昼食は前日に買った富山の鯖寿司。褐色なのは昆布で巻いてあるため。鯖の身も厚くて美味いですよ。

二股までは沢沿いに下り、ここから仙人池に向けて山に入って行きます。


例によって、宿泊は仙人池ヒュッテ。今年は2泊しました。
小屋に到着して間もなく(夕方5時過ぎ)、風呂に入っている時に強烈な夕立の雨音を聞きました。歩いている時に降られなかったのはまさに間一髪です。
この後もいかなる幸いか、天気予報はつねに微妙ながら、今回はついに山の上で雨に降られることはありませんでした。
ヒュッテ付近は道として草木と土壌が失われた部分の幅が広がったせいか、何年か前から木製の道を付けていますが、赤土が露出してしまうと回復はなかなか難しいようで。雨が降ると水の通り道になり、土壌が流されてしまうせいもあるのでしょう(これに対して水の通り道にならず周囲に木もあるところでは、道が草に埋まらんかという勢いです)。

ところで、仙人池ヒュッテの宿泊料は1泊2食付きで9000円。おそらくは東京のビジネスホテルと大差ない値段で、生活物資をヘリで運びこんでいる山奥としては安いと言っていいものです(しかも食事は美味いのです)。
しかも今年の1泊目には、私と父を含めて3人しか宿泊客はいませんでした。食堂や風呂、それに部屋のスペースも限られていることを考えれば、泊まる側としては空いている方がいいのですが、経営側としては大変でしょう(紅葉のシーズンになれば何十人と宿泊していることがありますが)。
その上、山小屋は営林署の監督下で自然を守り、山岳警備と共働して遭難者の救助も行わなければならないのであって、商売として考えるなら割に合うとは思えません。
それでもやっているのは、ヒュッテに置いてあった下記の書にもあったように、山小屋は「近代アルピニズムを支えるボランティア」だからなのでしょう。
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(続く)
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